富士通は7月6日、同社が研究開発リソースを集中している5つのKey Technologiesの1つである、最先端のデジタルテクノロジーと人文・社会科学などの分野の知見を融合するコンバージングテクノロジーに関する取り組み状況に関する説明会を開催し、ミリ波センサを活用した人の姿勢を高精度に推定する技術を開発したことを明らかにした。

  • 富士通が研究開発リソースを集中している5つのKey Technologies

    富士通がが研究開発リソースを集中している5つのKey Technologies

同社のフェローSVPコンバージングテクノロジー担当(兼)研究本部 コンバージングテクノロジー研究所長の増本大器氏はコンバージングテクノロジーについて、最先端のデジタル技術と行動学などの人文社会科学を融合させることで、人と社会を深く理解し、働きかけを行い、社会課題を解決する技術と説明。人と社会に対して求められるさまざまな課題、例えば急拡大する感染症に対する診断支援による医療機関の負荷を低減したり、環境負荷を低減させるスマート店舗やスマートシティ、スマートオフィスの実現などが挙げられるとする。

こうした取り組みの1つとして、映像処理と行動科学の知見を融合し、人の行動を高精度に分析・予測する技術の開発が進められているという。具体的には、来店顧客の行動から、安心安全な店舗運営や接客品質の向上を実現したり、犯罪の検知・予知による安心安全なまちづくりといったものがすでに発表済みだが、同社は今回、新たに病院や介護施設でプライバシーに配慮したうえで、きめ細やかな見守りを実現するヒューマンセンシング技術を開発したことを明らかにした。

  • コンバージングテクノロジーの5つの研究テーマ

    コンバージングテクノロジーの5つの研究テーマ