アセットマネジメントOne社長・杉原規之「日本への投資を促す情報発信、魅力的な商品づくりに注力していく」

「トランプ政権誕生後、ボラティリティ(変動性)の高い相場が続いている。落ち着くには時間がかかると見ている」

 みずほフィナンシャルグループと第一生命ホールディングスが共同出資する資産運用会社。運用資産残高は2024年3月末時点で約74兆円。

 相互関税など、米トランプ政権が打ち出す政策に株式市場は翻弄されているが、短期で大きく市場が動くと、投資家は動揺する傾向に。特に「新NISA」をきっかけに投資を始めた個人投資家などには不安感が強まっていると聞くが、「短期で一喜一憂しないことが大事。慌てて現金化するのではなく、継続して市場に居続けることの大切さをお伝えしている。そのための正しい情報を提供していく」

 日本は「資産運用立国」を掲げるが「実現にはマザーマーケットの日本市場が強く大きくなることが大前提。長期投資の資金が日本市場の活性化につながり、日本企業の価値向上を促す」

 取り組みの一環として24年に日本株のグロース株(成長株)ファンドを立ち上げ、育成中。「日本株への投資を訴求するために、魅力ある商品を提供したい」

 また、個人の老後に向けた資産形成を支援する「リタイアメントビジネス」にも注力。「ライフスタイルに合わせたソリューションを提供していく。長期投資に取り組む人を増やすべく、DC(確定拠出年金)への理解も広げていきたい」

 これは金融経済教育の充実とも重なる課題。そのため、23年に「アセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所」を設立し、中立の立場で資産形成、長期投資の重要性を発信する。

 大学卒業後は産業金融を志し、旧長銀に入行したが、98年に経営破綻。99年に興銀信託に入り、みずほフィナンシャルグループの信託統合、現在の日本カストディ銀行の立ち上げに携わった。

「長銀の破綻と、米国駐在時にリーマンブラザーズ破綻を目の当たりにし、市場の厳しさ、長期の信頼の大切さを痛感した」と振り返る。その原体験を胸に仕事に打ち込む日々だ。