最大45℃の入口温度に対応するDLC技術を発表
Supermicroは、直接液冷(Direct Liquid Cooling/DLC)ソリューションに、サーバの各種コンポーネントを冷却するための新技術を取り入れ、最大45℃の入口温度に対応し、ワットあたりのAI性能を高める技術「Supermicro DLC-2」を発表した。
同ソリューションは、同社のGPUに最適化された4Uラックに8基のNVIDIA Blackwell GPUと2基のIntel Xeon 6 CPUを搭載したサーバを活用する形で、冷却水温度の上昇をサポートするように設計されており、CPU、GPU、メモリ、PCIeスイッチ、電圧レギュレータ用のコールドプレートを組み込むことで、高速ファンやリアドア熱交換器の設置を不要とし、データセンターの冷却コストを削減することを可能にするという。
ラック内冷却水分配ユニット(CDU)でラックあたり250kWの熱を除去し、垂直冷却水分配マニホールド(CDM)で高温の液体を除去し、低温の液体をサーバに戻すことで、ラックのスペースを削減できるため、より多くのサーバを設置することが可能となり、床面積当たりのコンピューティング密度も向上させることができるようになるという。この縦型CDMはさまざまなサイズがあるため、設置するサーバの台数やラックの本数に合わせて柔軟に対応することができるほか、ソリューションとして、同社のSuperCloud Composerソフトウェアと完全に統合されているため、データセンターレベルの管理とインフラストラクチャのオーケストレーションが可能だとする。
空冷式と比べて消費電力を最大40%削減
これらの特長により、空冷式と比較してデータセンターの消費電力を最大40%削減することが可能なほか、最先端の液冷AIインフラの導入と稼働までの時間を短縮できるため、総所有コストを最大20%まで削減することができるという。
また、コールドプレートでコンポーネントを全面的に覆うことで、ファンの回転数を下げ、必要なファンの数を減らすことができ、データセンターの騒音レベルを約50dBまで低減することもできるようになるともしている。 さらに、入口温度の上昇により、冷却水の必要性、チラーコンプレッサの設備コスト、追加電力の削減などが可能で、これによりデータセンターの水消費量を最大40%節約することもできるようになるという。
なお、同社は、DLC-2ソリューションをデータセンター・ビルディング・ブロック・ソリューションの一部として提供することで、データセンターのコストを20%削減し、液冷システムをより広く利用できるようにすることを目指すとしている。