Neowinは3月27日(米国時間)、「Microsoft 365 bringing performance boost to Office apps like Word, Outlook, Excel - Neowin」において、Microsoft Officeに起動パフォーマンスを向上させる新機能「Startup Boost」が導入されると伝えた。

Windows向けに提供されるこの新機能により、Officeアプリの起動時間を短縮できるという。

  • Microsoft 365 bringing performance boost to Office apps like Word、Outlook、Excel - Neowin

    Microsoft 365 bringing performance boost to Office apps like Word, Outlook, Excel - Neowin

タスクスケジューラーを活用してアプリをプリロードする

Microsoft Officeはオフィススイート製品として企業で広く利用されており、多くの機能を搭載している。そのためソフトウェアの規模が大きく、デバイスの性能にもよるが、初回起動に時間を要することがある。

この問題を解決する新機能として、Microsoftは「Startup Boost」の導入を発表した。詳細は「Microsoft 365 管理センター」(要ログイン)から確認することができる。具体的な仕様について同社は次のように述べている。

「Officeアプリのパフォーマンスと起動時間を最適化するために、Microsoft Officeインストーラーから新しいStartup Boostタスクを導入します。システムがタスクを実行すると、アプリが起動してシーケンスが再開されるか、システムがメモリーからアプリを削除してリソースを再利用するまでアプリを一時停止状態のままにします。システムはデバイスの再起動後、およびシステムが許す限り定期的にアプリに対してこのタスクを実行できます」

Microsoft Officeをインストールすると、タスクスケジューラーに「Office Startup Boost and Office Startup Boost Logon」と名付けられたタスクが追加され、システム起動時などにOfficeアプリが一時停止状態でプリロードされるようになる。

メモリにロードした状態を維持することから、起動時間の大幅な短縮が期待できる。業務をスムーズに遂行できるメリットを得られるようになるが、同時にメモリを圧迫するデメリットが懸念される。Microsoftはこの懸念について次のように述べ、パフォーマンスの低下を回避するとしている。

「Startup Boostはシステムパフォーマンスに影響を与えずに実行できる十分なリソースがPCにある場合にのみ使用できます。これには使用可能なRAMが8GB以上、使用可能なディスク領域が5GB以上必要です。また、省エネルギーモードがアクティブな場合、Startup Boostは無効になります」

これは推測となるが、ディスク領域を要求することからメモリにロードしたアプリの一部または全部を、故意にスワップさせる技術とみられる。この推測が正しければ、補助記憶装置の速度がStartup Boostのパフォーマンスに直接影響する可能性がある。

ユーザーは任意で機能の切り替えが可能

Startup Boostは機能の有効、無効を切り替えることができる。タスクスケジューラーからタスクを無効にすることもできるが、アプリの設定からも切り替えが可能だ。設定は「オプション」→「全般」→「スタートアップオプション」の「Startup Boost」から行う。

  • Startup Boostの設定画面 - 引用:Neowin

    Startup Boostの設定画面 - 引用:Neowin

Startup Boostの提供は5月中旬にWordを対象に開始され、5月下旬までに完了することが予定されている。Outlook、Excel、PowerPointなど、他アプリについては将来のアップデートで提供する予定だ。