キンドリルジャパンは2月13日、同社が東京近郊に新設するデータセンターで日本IBMが提供する最新のメインフレーム「IBM Z」を活用して、企業がビジネス状況に応じ柔軟にメインフレームプラットフォーム環境を構築できるクラウドサービス「zCloud」を拡充し、2025年中に提供開始することを発表した。

「zCloud」の概要

これにより、企業はメインフレームで処理される大規模かつ重要な企業データを、メインフレームに搭載されたAIを活用してリアルタイムに解析することでビジネス上の洞察を引き出し、新しい製品・サービスの開発やイノベーションの推進など、メインフレームとAIの相乗効果による業務の高度化を推進することができるという。

zCloudの主な特徴として、ITシステム運用の自動化を目指したクラウドベースのオープンな統合プラットフォーム「Kyndryl Bridge」でAI、運用データ、キンドリルの専門知識をシームレスに統合し、可観測性と自動化を推進してコンプライアンスやワークロード管理を最適化するという。

また、戦略的に配置した東日本と西日本のデータセンターにより、レジリエンスとセキュリティを確保するとともに、大規模なサービスの処理能力(15万MIPS以上)を備え、メインフレーム技術者によるプラットフォーム構築支援、ネットワークハブを通じたzCloudからインターネットへの高速接続でハイブリッドクラウド環境をシームレスに提供するとしている。

IBMのメインフレームは、ミッションクリティカルなワークロードのためのプラットフォームであり、現在でもグローバルでユーザーの基幹業務を支える中心的な役割を担っている。最新のIBM z16は、高可用性、安定性、堅牢性、大量並列処理といったメインフレームの特徴に加え、オンチップAIアクセラレーターを搭載したIBM Telumプロセッサや耐量子暗号システムを搭載している。

キンドリルが提供するzCloudサービスを通して、企業はIBMのメインフレームを核としたシステムと既存のクラウド、他システムを組み合わせたハイブリッドなシステム環境を構築し、IT環境のモダナイゼーションの推進が可能になることに加え、ミッションクリティカルな業務へのセキュアなAI適用でビジネスを高度化することができるという。