さくらインターネットとJストリームは4月15日、国内向けコンテンツ配信の基盤強化に向けた協業を開始することを発表した。両社は「令和8年度 ガバメントクラウドサービス提供事業者」に採択されたさくらインターネットの高セキュリティな環境により、大規模アクセス時においても安定した配信を可能とする共同配信基盤の構築を開始する。

協業の背景

国内のインターネットトラフィックは継続的に増加しており、2030年には2020年比で約14倍に達するとの試算もある(三菱総合研究所「情報爆発を支える新たな情報通信基盤の確立策を提言」)。コンテンツ配信はエンターテインメントにとどまらず、ビジネス、教育、行政など幅広い領域へ拡大しており、高品質で安定した配信インフラの重要性が高まっている。

日本国内のCDN(Contents Delivery Network) / 配信インフラ市場も2025年から2035年にかけて16%超の年平均成長率が見込まれる( Future Market Insights, Inc.,”Japan Content Delivery Network (CDN) Industry Size, Share, and Forecast Outlook 2025 to 2035″(June 6, 2025))一方で、2024年のデジタル分野における国際収支は約6.7兆円の赤字に達している(総務省「令和7年版情報通信白書」)

今後想定されるITサイマル放送におけるブロードバンド代替の普及や、政府機関の情報配信における安全保障の観点からも、国内配信基盤の強化は社会的な課題と考えられる。

こうした市場環境と社会的背景を踏まえ、両社は国内事業者として配信基盤を強化し、長期的に安定運用できる体制の構築は不可欠との認識を共有し、協業に至ったとのことだ。

協業の概要

両社は協業の第一弾として、さくらインターネットのネットワーク内にJストリームのCDNサービス「J-Stream CDNext(以下、CDNext)」のエッジサーバを設置し、運用開始を目指す。

共同配信基盤によるコスト効率と柔軟性の向上のため、両社はCDNエッジ設備に関するシステム情報を相互開示し、設備とシステムの共通化を進める。これにより、インフラ投資を最適化させ、将来的な拡張性と保守性の向上を図る。利用企業は自社の負担を増やすことなく、今後の配信量増大やサービス拡張にも対応できるようになるという。

また、さくらインターネットの「さくらのクラウド」と、Jストリームの「CDNext」を連携させた共同配信基盤を構築し、利用企業はホスティングから配信までをワンストップで利用可能になる。今後は両社の各サービス管理画面上より相互にサービスを操作できるAPIの共同開発についても可能性を探る。

さくらインターネットのネットワーク内に「CDNext」のエッジサーバを設置することで、厳格なセキュリティのもと大規模アクセス時でも安定した配信環境を実現するという。急なトラフィック増にも強く、イベント配信や大型案件にも対応するとのことだ。