キヤノンは9月9日、複合機とさまざまなクラウドストレージを連携した印刷やスキャンを可能にする中小企業向けの新サービス「Cloud Connector(クラウドコネクター)」を9月17日に提供開始すると発表した。

同サービスでは、PCを介することなく、複合機から直接クラウドストレージにアクセスできる。そのため、在宅勤務時にクラウドに保存したデータをオフィスに出社してすぐ印刷したり、メモを書き込んだ紙文書をスキャンしてクラウドに保存して社内に共有したりするといった活用が可能だ。

  • 「Cloud Connector(クラウドコネクター)」イメージ

    「Cloud Connector(クラウドコネクター)」イメージ

また、同サービスの初期導入は、複合機本体の操作パネルで16桁のライセンス番号を入力すれば完了する。そして、ユーザーごとにメールアドレスを登録し、送られてきたメールに記載されたリンクをワンクリックすると利用を開始できる。

各種クラウドストレージへの個人認証も、同様の手順で直感的に行える。ITの知識が求められる煩雑なユーザー管理やデバイス管理が不要で、ユーザー登録からクラウドストレージとの接続まで実行できる。

  • 「Cloud Connector(クラウドコネクター)」の対応機種と提供価格

    「Cloud Connector(クラウドコネクター)」の対応機種と提供価格

業務効率化のためにクラウドサービスを利用する企業は年々増加しており、企業全体の8割に近づいています(総務省)。データの保存や共有を目的に利用するケースがそのうち7割と最も多く、場所を問わず保存先にアクセスし、データを参照できる利便性が幅広い業種で求められている。

一方、クラウドに保存したデータの印刷や、クラウドへのスキャンデータの送信などを行う際にはPCを操作する必要があり、複合機との連携には手間がかかっていた。キヤノンは新サービスの提供を通じて、専門知識を有するIT管理者のいない中小企業などにおいても、クラウドを活用した情報共有を促進し、生産性を向上できるようにしたい考えだ。