米Oracleは6月11日(現地時間)、米OpenAIおよび米Microsoftとの提携を発表した。Microsoft Azure AlプラットフォームをOracle Cloud Infrastructure(OCI)に拡張し、継続的にスケール可能なコンピューティング能力をOpenAIに提供する。

生成AIブームの中で、OpenAIの「ChatGPT」やMicrosoftの「Copilot」のような市場を牽引するサービスに需要が集中している。顧客を獲得するための開発競争も激化しており、OpenAIは5月にフラッグシップAIモデルを強化したオムニAIモデル「GPT-4o」の提供を開始し、さらに以前は有料プランに限定していた多くの機能を無料プランにも提供し始めた。6月10日には、Appleが開発者カンファレンス「WWDC24」でOpenAIとの提携を発表した。Appleの次期OSにChatGPT連係が組み込まれ、音声アシスタント「Siri」を通じてChatGPTにアクセスできるようになる。

OpenAIはMicrosoftから巨額の投資を受け、生成AI技術の開発や「ChatGPT」の提供にMicrosoftのクラウドを使用してきたが、その供給能力を需要が上回ろうとしている。Microsoftは2024年1〜3月の決算報告で、3月期に前年同期比79%増である140億ドルを設備投資に投じたが、それでもAI向けクラウドの需要を十分に満たせない見通しを明らかにした。供給の制限により、推論ステージでAIモデルを展開する顧客に提供できるリソースが減少している。

OpenAIによると、OCIによるAzure AIプラットフォームの拡張は、推論ステージやその他のニーズに用られるが、最新のAIモデルの事前トレーニングは全てMicrosoftのデータセンターで行われる。これは需要の増加に対応し、サービス障害を防ぐための提携であり、OpenAIは公式Xを通じて「いくつかの誤解が生じていることについて、明確にしたいと思います。弊社のMicrosoftとの戦略的なクラウド関係には何ら変更はありません」という声明を公開した。

これとは別に、Oracleは6月11日(現地時間)、Google Cloudとの提携も発表した。OCIとGoogle Cloudのテクノロジーを組み合わせて、アプリケーションの移行とモダナイゼーションを加速する選択肢を顧客に提供する。