エクサウィザーズの100%子会社であるExaMDは5月9日、医療VRを手掛けるジョリーグッドと業務提携したことを発表した。AI/生成AIを活用したヘルスケアプラットフォーム「バーチャルファミリー」を共同で開発し、楽しみながら得られる会話音声データを活用し認知症などの検知が難しい健康リスクの早期発見や予防に生かしていきたい考え。

提携により開発する内容

今回の提携では、両社の強みを持ち寄って、VRやスマートフォンなどの環境で認知症を含む健康リスクの早期発見、検知・診断など独自のAI機能を兼ね備えたヘルスケアプラットフォームとして、バーチャルファミリーを開発する。

バーチャルファミリーでは、仮想空間のゲーム上での家族のキャラクターとの生活面全般に関するコミュニケーションを通じて、自然な形で利用者の音声や行動などのさまざまな健康・生活データを収集する。

これらの健康・生活データをExaMDの提供するAI技術で解析することで認知症などの健康リスクの可能性を把握し、自宅で手軽に利用できる新しい在宅サービスを提供する。対象は1人暮らしの人から高齢者、家族まで幅広く想定しているという。

ExaMDは現在、会話音声などをもとにして、認知症を簡易かつ短時間に診断できるAIによるプログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)を開発しており、医療機器としての早期の承認に取り組んでいる。

ここでの知見をバーチャルファミリーにおける、認知症の早期発見、検知・診断に生かしている。また、音声と認知症以外の「データと健康リスク検知の組み合わせ」に関する取り組みへの拡大も視野にいれており、バーチャルファミリーにおける役割を次第に拡大していく予定。

両社は今回の連携で、世界的に拡大している在宅医療の市場に対応することを目標としており、1人暮らし世帯でも安心して健康的に生活できる社会の実現を目指す。