ファミリーマートは4月18日、2023年12月に開始した約3カ月間にわたる生成AI活用の実証実験の結果、作業時間を約50%削減できる見込みのある業務を特定したことを発表した。今後それらの業務に対し集中的に効率向上に取り組む方針だという。

6つの業務領域で実証実験を実施

生成AIの活用推進にあたり全社横断の生成AIプロジェクトを立ち上げ、50人のプロジェクトメンバーが「セキュリティ・レギュレーション作成」「Q&A作成・自動回答」「文書作成・要約」「定型シート作成」「法令・リスクの洗い出し」「翻訳」の6つの領域で新たな業務改善方法の検討や効果検証を実施した。

今回の実証実験で時間削減効果が見られたのは、各種アンケートの集計作業や、社内文書および社員教育資料の作成、店舗経営を支援するスーパーバイザーから本部担当社員への問い合わせ対応。これらの業務に生成AIを活用することで、業務時間の短縮が期待できるという。業務の効率化によって創出された時間は、メディア事業などの付加価値を生む業務に有効活用する方針だ。

Exa Enterprise AIが生成AIの活用を支援

エクサウィザーズのグループ会社であるExa Enterprise AIは同日に、法人向けのChatGPTサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4」をファミリーマートが導入したことを発表している。現在はスーパーバイザーなど約3000人の社員が利用を開始しているとのことだ。

今回、Exa Enterprise AIは、AIコンサルタント、エンジニア、カスタマーサクセス、カスタマーサポートなどがチームを組織して実証実験を支援。各担当が連携してファミリーマートにおける生成AIサービスの構築と運用や、生成AI活用の研修などを提供した。

特に、ファミリーマートのユーザーがexaBase 生成AIに入力したプロンプトとその回答をExa Enterprise AIのコンサルタントが確認し、より効果的な回答につながるプロンプトを考案して提供することで、効果の引き上げを図っている。また、頻繁に活用するプロンプトはテンプレート化して利用した。