NTTデータとSMBCコンシューマーファイナンス(SMBCCF)は10月23日、「ローンデジタルプラットフォーム」のサービス提供を開始した。愛媛銀行をファースト・ユーザーとし、2024年春に三十三銀行への提供を計画している。

  • 課題と解決方向

新プラットフォームは、業界初という複数金融機関・複数保証会社間の伝送・審査リトライ自動化を実現し、個人向けローンにおける電話・郵送・FAXなどの旧来業務のデジタル化および、ローン申込者の顧客体験の向上や事務効率化に寄与するという。

同サービスはSaaS型であり、金融機関・保証会社は月額の利用料のみで利用可能とのこと。

  • サービスの全体イメージ

同サービスは、個人ローンの申し込みから契約締結まで、全てWeb上で完結させる機能を提供する。また、eKYC(オンラインで本人確認を完結するための技術)による本人認証も標準搭載し、スマートフォンのみで利用客の申し込みが完結する仕組みを提供するとしている。

また、自動保証審査依頼・自動リトライ機能により、ローン受付から複数保証会社への審査依頼の完全自動化を実現することで、FAXの送信およびFAXの受信内容のパンチング業務が不要になる。

保証会社接続IF(インターフェイス)の統一化により、プラットフォーム接続済の保証会社であれば、新規の回線敷設やIFレイアウトの変更無しで保証審査データの授受が可能となり、金融機関の新規商品リリース速度向上に貢献する。

さらに、UI(ユーザー・インターフェイス)/UX(ユーザー・エクスペリエンス)改善による離脱防止およびサービス品質の向上や顧客コンタクト支援、データ分析・販促サービス提供による成約率向上への寄与を、特徴として挙げている。

  • 将来的なロードマップのイメージ

愛媛銀行は、同サービスの採用により顧客に対して円滑なデジタル・サービスを提供し、成約率の向上および事務経費・システムコストの削減を目指しているとのこと。

2024年初春に三十三銀行向けのサービス提供開始を計画すると共に、アプリ機能の提供、カードレスや他行口座における借入・返済を実現するデジタル・カードローン機能、デジタル・マーケティングなど、追加機能・サービスの提供に向け機能を拡張していくとしている。

将来的には、全国の金融機関および保証会社が広く利用できる公共的なプラットフォームになることを目指し、5年で金融機関35社、保証会社10社獲得に向けて営業活動を展開する予定だ。