大日本印刷（以下、DNP）と島田理化工業（以下、島田理化）は3月23日、EV（Electric Vehicle：電気自動車）用のワイヤレス給電の実用化に向けて実証実験装置を共同開発したことを明らかにした。

両社は今回の共同開発を通じて、DNPのシート型コイルや島田理化のPWM（Pulse Width Modulation）制御インバータなど両社製品を最適化しており、次世代インフラとしてのEV用ワイヤレス給電システムの社会実装に貢献するとのことだ。

  • 開発した装置の基本構成

    開発した装置の基本構成

今回開発した装置は、島田理化が誘導加熱装置などで培ったインバータ技術に加え、デジタルPWM制御により高効率で省エネルギーな給電を目指したという。装置は出力11.1キロワットのインバータユニットを4台内蔵し、複数車両への個別または同時の給電や、1車両への複数コイル同時給電が可能。

さらに、DNPが開発したシート型コイルにより、SAE（Society of Automotive Engineers：米国自動車技術会）が定める規格に準拠した給電を可能としている。コイルと給電ケーブルの接合回路の最適化により、最大ケーブル長30メートルでの給電に対応するという。

  • トラックヤードにおける荷役作業中のEVトラックへの給電

    トラックヤードにおける荷役作業中のEVトラックへの給電

  • タクシープールにおける待機中のEVタクシーへの給電

    タクシープールにおける待機中のEVタクシーへの給電