電通グループは12月16日、世界58市場から収集したデータから「世界の広告費成長率予測」を発表した。同予測は、毎年2回実施しており、今回は2022年、2023年、2024年予測の更新と2025年の新規予測を行った。

これによると、2022年の世界の広告費成長率は、先行き不透明な経済状況が及ぼす消費活動の減少により、前回7月の予測から0.7pt下方修正した8.0%となり、市場規模は7136億米ドルになると同社は見込む。デジタル広告費は、2022年の成長率が13.7%となり、総広告費に占める割合が55.3%となる見通しだ。

  • 世界の総広告費の推移 出典:電通グループ

    世界の総広告費の推移 出典:電通グループ

2023年の世界の広告費については、インフレ率や金利の上昇とそれによる企業および個人消費への影響といった複合的な要因を鑑み、3.8%の成長で、市場規模は7409億米ドルになると予測。

媒体別では、2022年に13.7%成長予想のデジタル広告費が、2023年においても7.2%と高成長を維持し、世界の総広告費に占めるデジタル広告費の割合は57.1%に達する見通し。その成長を牽引するのは、動画広告(+7.1%)、ソーシャルメディア広告(+13.5%)、検索連動型広告(+7.2%)と同社は予測している。

また、テレビ広告費は0.2%、ラジオは2.0%、映画館(シネアド)とOOH(屋外/交通)は、それぞれ6.1%、2.0%の成長を予想。一方、新聞と雑誌は、それぞれマイナス成長(△3.7%、△3.4%)となる見通しだ。

  • 媒体別成長率&シェア予測(全世界)出典:電通グループ

    媒体別成長率&シェア予測(全世界)出典:電通グループ

今後、世界の広告市場は順調に拡大し、2024年には4.8%増の7769億米ドル、2025年にはさらに4.5%増の8116億米ドルになると予測している。