BOSS-CON JAPANは12月6日、BOSS-CON JAPAN内組織であるPHP技術者認定機構が、商用非商用問わず無償で改変権・利用権を付与するPHP Open Textbookとして、PHP教材ドキュメントを1月1日より公開すると発表した。

同プロジェクトでは、GitHubにおいて、PHPの初学者・上級者向けテキストブック、初学者向け環境を公開する。ドキュメントは、インストールと設定、言語リファレンス型、セキュリティ、機能、基本的な関数などに関するものを公開する予定。

まずは、PHP8.xに対応したテキストブックを公開し、複数のOSへの対応したドキュメントを公開する計画。公開ドキュメントのライセンスはCC-BY 4.0 国際とする。

代表理事の吉政忠志氏は、公開したコンテンツについて、「著作権は協会にありますが、学校の教材として配布いただいても、また、出版社が書籍に引用して有償で販売してもかまいません」と話す。

  • BOSS-CON JAPAN 代表理事 吉政忠志氏

今回、無償で無償で改変権・利用権を付与するPHP Open Textbookを提供する背景について、吉政氏は次のように語っていた。

「PHPは全世界のWebサーバの77.4%に普及していますが、W3techsの調査によると、最新版のPHP 8の利用状況は6.8%にとどまっています。最も利用されているPHP 7は利用率が70%を超えていますが、すでにサポートが切れています。その理由の1つに、PHP8の教育が進んでいないことが考えられます。そこで、教材ドキュメントを無償で配布することで、PHP 8への移行を促したいと考えています」

加えて、教材ドキュメントを公開することで、各社が個別に開発しているPHP教材の開発工数を削減することも狙っている。

公開ドキュメントに対して広くプルリクエスト受け付けられるよう、コミッターとして、PHP技術者認定機構CTOの古庄道明氏、エバンジェリストの三雲勇二氏(プライム・ストラテジー)が着任する。

古庄氏は、「試験を学習するためのコラムを執筆する予定ですが、その中にソースコードが出てきます。その学習のためのプログラムをGitHubに公開します。昨今、エンジニアにとってGitHubは使えて当たり前のツールになっています。エンジニアにとって入手しやすい形でソースコードを公開するとともに、GitHubに慣れていない初心者の方にGitHubに慣れていただきたいです」と語る。

  • PHP技術者認定機構 CTO 古庄道明氏

三雲氏は、「PHP 8技術者認定試験初級について、試験勉強で使える検証環境を公開しようと考えています。PHP言語は超初心者にも向いている言語ですが、エラーが英語で出るなど、動作環境の構築は難しいです。そうした方がPHP 8を学べるようなコンテンツを提供していきたいです。ソースコードはZipファイルでもダウンロードできます。エンジニアの方がソースコードをコピーする時の無駄を少しでもなくしたいです」と話す。

  • PHP技術者認定機構 エバンジェリスト 三雲勇二氏

  • PHP Open TextbookのGitHubにおける公開のイメージ