キヤノンは11月29日、アクシス社製ネットワークカメラをAI(人工知能)カメラ化するmicroSDカード型ハードウエア「AIアクセラレーター AS-AN11」を12月上旬より順次発売すると発表した。

同製品は、カメラ本体に挿入し、併せて提供を開始する専用映像解析アプリケーションをインストールすることで、AIによる映像解析を実現する。解析専用のサーバーやクラウドが不要で、初期投資やランニングコストを抑えたシステムを構築できる。また既設のカメラにも対応できるため、既存の設備を生かしたシステム運用も可能。

  • ネットワークカメラをAIカメラ化する「AIアクセラレーター AS-AN11」

    ネットワークカメラをAIカメラ化する「AIアクセラレーター AS-AN11」

専用映像解析アプリケーションには3つの機能「侵入検知」「駐車検知」「映像変化検知」を備えている。

侵入検知では、頭部から人物を検出することで、人物の指定エリアへの侵入を検知できる。ヘルメットや帽子を被っていても人物検出が可能で、頭部から足元の位置も推定できるため、生産現場・物流倉庫などで足元が見えない場合でも検知するという。また、パトランプや投光器と連携させることで、立ち入り禁止エリアへの侵入を警告する仕様にもできる。

  • 「侵入検知」使用シーン(イメージ)

    「侵入検知」使用シーン(イメージ)

駐車検知では、指定エリアに駐車した車両の有無や、一定時間を超える長時間駐車を検知する。駐車状況をリアルタイムに確認することで、誘導スタッフは空いているエリアへのスムーズな案内ができるほか、人員配置やオペレーションの簡素化にもつながる。

  • 「駐車検知」使用シーン(イメージ)

    「駐車検知」使用シーン(イメージ)

また映像変化検知では、基準となる元画像を学習することで、映像の変化を検知する。例えば生産現場では、装置の稼働を妨げる人や物などを検知して通知することで、安全支援につながる。また、スーパーマーケットでは特定の商品コーナーの欠品状態を通知したり、倉庫内では通路上への荷物の置き去りを通知するなど、幅広いシーンで利用可能。

  • 「映像変化検知」使用シーン

    「映像変化検知」使用シーン

テクノ・システム・リサーチの調査によると、ネットワークカメラの2021年の世界市場は約123億米ドル(前年比約15%増)と、市場規模が拡大している。2022年も引き続き拡大基調を維持するといい、世界市場で約138億米ドル(前年比約12%増)と予想されている。