NECは11月28日、建設現場などに設置したカメラの映像から、複数の人物のそれぞれ異なる作業内容をリアルタイムで高精度に認識する技術を開発したと発表した。

  • 今回開発した技術を用いて建設現場での作業内容を認識している様子

    今回開発した技術を用いて建設現場での作業内容を認識している様子

同社は大和ハウス工業と共同で建設現場における同技術の実証実験を実施し、同技術の有効性を確認している。今後は建設に加えて、製造・物流・小売などのさまざまな現場作業に対して同技術の検証を進め、2023年度の実用化を目指す。

従来の一般的な行動解析技術では、人物や物体の関係性を解析できるが、人物や物体の視覚的特徴のみが用いられており、認識できる行動や状況が限定だった。

同技術では人物や物体の視覚的特徴に加えて、人物の姿勢特徴、使用している道具や重機といった物体の種別情報、人物や物体の位置情報、人物の周辺環境の視覚的特徴など、表現形式の異なる特徴の間の関係性を統合的に解析することができる。

加えて、それぞれの作業内容の認識において、どの特徴が重要になるかを深層学習で適応的に重み付けする。これにより、建設現場のように多人数が行き交う混雑した環境においても、多種多様な作業内容を高精度に認識することが可能だという。

  • 今回開発した技術による作業内容認識のイメージ

    今回開発した技術による作業内容認識のイメージ