Notion Labs Japanは11月9日、都内で「Notion Japan 発表イベント for チーム」を開催。イベントにはNotion Labs 共同創業者兼CEOのアイバン・ザオ氏と、Notion Labs Japan ゼネラルマネージャーの西勝清氏らが登壇した。

「京都」で生まれたNotion

Notionはメモ、ドキュメント、プロジェクト管理、wikiをカスタマイズ可能な形で組み合わせたオールインワンのワークスペースだ。

まず、ザオ氏は「業務で自由自在にツールをカスタマイズできないなどソフトウェアは膠着化し、柔軟性に欠けている。また、利用するツールが多すぎて情報のサイロ化もあり、Oktaの調査結果でもツールの増大が指摘されている。そのため、Notionでこれらの課題を解決したいと考えた」とNotionの設立に至る背景を語った。

  • Notion Labs 共同創業者兼CEOのアイバン・ザオ氏

    Notion Labs 共同創業者兼CEOのアイバン・ザオ氏

そして、同氏は「Notionのミッションは『Make software toolmaking ubiquitous(ソフトウェアツールの作成をユビキタスにする)』だ。レゴのようにブロックを組み合わせながら遊ぶ感覚で課題が解決でき、効率性の向上などが期待できるソリューションをイメージしている」と説明した。

  • Notionのミッション

    Notionのミッション

CEOのザオ氏は、2016年以前に今回も来日しているNotion Labs 共同経営者兼CTOのサイモン・ラスト氏と、事業を展開していた。しかし、鳴かず飛ばずの状況が続き、結果的に残ったのは2人に。そこで、2人はリフレッシュの意味合いも込めて京都に旅行を訪れた。

京都を訪れた2人は、日本のホスピタリティや細かい気配りに感銘を受けたという。実は、Notionの最初の1行は京都で書かれたとのことだ。明日11月11日には京都で「Notion全国ミートアップ2022@京都」の開催を予定している。

  • 2人は京都でインスパイアを受けたという

    2人は京都でインスパイアを受けたという

そこからNotionは成長を続け、グローバルのユーザーは約2000万人にのぼり、従業員数は400人、オフィスは6カ所、コミュニティ数は150超となっている。

  • グローバルでの事業の概況

    グローバルでの事業の概況

日本におけるNotionの状況

日本では昨年10月に日本語β版をリリースし、全国で3000人以上のメンバーがコミュニティに参加している。これまでにもNotion関連の書籍は7冊発刊されており、Youtubeチャンネル「Notion Japan」を開設。

西氏は「入社してから2年が経過し、ユーザーの方に支えられてきたと実感している。昨年の日本語β版の発表時にはTwitterでトレンド入りするなど注目度が高いと感じている」と語った。

  • Notion Labs Japan ゼネラルマネージャーの西勝清氏

    Notion Labs Japan ゼネラルマネージャーの西勝清氏

現在、日本国内ではチーム利用のワークスペース新規開設数の前年比伸び率は2.7倍、エンタープライズプランは同2.3倍にまで成長したという。

トヨタ自動車や三菱重工、サントリーなどの大手からスマートニュースやLayer Xをはじめとしたスタートアップ、ベンチャーと幅広い。Notionでは、世界初となるリセールパートナーはクラウドネイティブ、ネクストモード、ノースサンドの3社だ。

  • 日本におけるユーザー企業

    日本におけるユーザー企業

今回、Notionの日本語β版からオフィシャル版を正式にリリースし、ヘルプセンターも日本語化したほか、リーダーシップチームを採用し、企業における利活用をサポートしている。

  • Notionのオフィシャル版を正式にリリースした

    Notionのオフィシャル版を正式にリリースした

また、各ユーザー企業におけるNotionのハードユーザーで“チャンピオン”が集い、すでに30カ国で行われている企業の枠組みを超えたコミュニティ「Notionチャンピオンズコミュニティ」を開始する。

Notionの製品アップデート

一方、イベントに合わせた形で「ワークスペース管理」「プロジェクト管理」「アプリ連携」に関する直近の製品アップデートが紹介された。

ワークスペース管理

ワークスペース管理では「ワークスペースアナリティクス」で、管理者やユーザーがワークスペースの活用状況をふまえて、組織の情報共有を促進する。

また、アクティブユーザー数など活動量を把握できるほか。自社のワークスペース内のページの新規作成やページビューの情報を確認でき、社内の情報共有の状態が分かるという。

  • 「ワークスペースアナリティクス」の概要

    「ワークスペースアナリティクス」の概要

「コンテンツ検索」は管理者がワークスペース内のページを確認し、必要に応じて共有設定を変更でき、セキュアで適切な情報共有を担保するとしている。

プロジェクト管理

プロジェクト管理は「サブタスク」でタスクはいかにサブタスクを複数設定し、詳細なタスク管理を可能としている。

「タスクの依存関係」は、タスク間の依存関係を設定できるようになり、各タスクの順序を加味した正確なタスク管理ができるという。

「繰り返しタスクテンプレート」は、あらかじめ設定したテンプレートを自動的に繰り返し登録し、定例の会議アジェンダやToDoを自動作成できる。

  • 「繰り返しタスクテンプレート」の概要

    「繰り返しタスクテンプレート」の概要

アプリ連携

Notionの強みでもあるアプリ連携ではSlack、Box、Asanaとの連携を説明した。

Slackとの連携では、選択したSlackのメッセージをNotionに送信し、情報をストックすることが可能。また、Slack上で通知を受け取りたいNotionイベントの種類を選択すれば、必要な通知のみをチェックできるほか、Slack上でNotionページの詳細なプレビューの確認もできるという。

  • Slackとの連携を強化した

    Slackとの連携を強化した

Boxは、Box内に保管しているファイルをNotion上からワンストップでプレビューを確認できる。また、Asanaで管理しているタスクをNotionの同期データベースに表示することが可能。

イベントの最後にザオ氏は「Notionは日本で生まれ、ホスピタリティや匠の技などにインスパイアされており、このような状況に大変感謝している。今後もプロダクトサービスを広く届けていく」と力を込めていた。