イスラエルVisIC Technologiesは10月26日、京セラの車載電子部品子会社KYOCERA AVX Components (Salzburg)と共同で、電気自動車(EV)のオンボード充電やeドライブトレインなどの高電圧用途向け大電流GaNパワーデバイスを開発することを発表した。両社は、主要なEV OEMやティア1向けに、ディスクリートGaNデバイスとダイベースのパワーモジュールを提供していくという。

VisICの「D3GaN(ダイレクトドライブDモードGaN)技術」は、自動車産業で求められる高信頼性と低損失を実現するために開発されたもので、システムソリューションを簡素化し、効率的で低価格のパワートレインプラットフォームソリューションを可能にするとのことで、すでにスイッチやパワーモジュールがメジャーティア1の次世代インバータの試作に用いられているという。

  • 「V22」のパッケージイメージ

    650V/100A対応のD3GaN製品「V22」のパッケージイメージ (出所:VisIC)

KYOCERA AVX SalzburgのディレクターであるMartin Knosp氏は、「GaNは、電動車両の効率向上と走行距離の延長の鍵を握っている。VisICの技術は、スイッチング速度の向上とパッケージサイズの小型・軽量化を実現し、システムのトータルコストを削減することができる。我々は、VisICとの協力関係を拡大することで、高度な設計・製造能力を活用し急成長するEV市場の需要によりよく応えるためのGaN製品およびデバイスを多く開発し、提供していきたい」とコメントしている。