アクセンチュアは10月24日、製造企業がデジタルを活用して製品の設計、開発、顧客への供給にかかる時間を短縮し、いかに「市場投入までのスピード」を上げているかを分析した最新調査を発表した。

同調査は、日本、米国、中国、英国、フランス、スペイン、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、イタリア、スイス、ドイツの13カ国で、製造企業(産業用・電気機器、重機、自動車用品、耐久消費財)を対象に実施したもの。

同調査は、「アイデアから製品」「計画から生産」「需要予測から供給」3つの各段階で最も効率的な企業を特定し、機械学習をはじめとするAI、クラウド、デジタルツイン、ハイパフォーマンスコンピューティングなどの先進デジタルを活用することで、いかに時間とコストを削減しているかを分析している。

さらに分析結果をもとに企業を、市場投入までの時間が短く、効率の良い「スピードスター」、市場投入に時間がかかり、効率化の余地がある「スターター」、中間に入る「アクセラレーター」という3つのカテゴリーに分類している。

「スピードスター」は、市場投入までの3段階すべてにおいて、先端デジタル技術を積極的に活用し、大幅に時間とコストを削減していることが分かった。例えば、機械学習を活用する「スピードスター」は、「スターター」と比較して、7倍の時間短縮と12倍のコスト削減を達成していているほか、無人搬送車などさまざまな方法を組み合わせて効率化を図る「スピードスター」は、「スターター」に比べて4倍の時間短縮と約30倍のコスト削減を実現しているという。

さらに「スピードスター」は、「スターター」と「アクセラレーター」を財務業績の面で上回っており、2016年から2021年までの5年間で、「スピードスター」は「アクセラレーター」よりも4%、「スターター」よりも18%高い年間成長率を達成しているという結果になっているという。また、「スピードスター」の平均営業利益率は、「スターター」や「アクセラレーター」に比べ高いことも明らかになるという結果が出ている。