米Metaが4月11日(現地時間)に、クリエイターを支援する継続的な取り組みの一環として、仮想空間「Horizon Worlds」においてクリエイターの収益化を可能にするツールのテストを開始したと発表した。まず、一部のクリエイターを対象に、構築したワールド内で仮想アイテムやエフェクトを販売できるようにするが、ワールド内購入の販売手数料が最大47.5%になることに驚きや批判の声が上がっている。

Horizon Worldsでは、仮想ワールドにアバターで参加して交流したり、ゲームを楽しめる。また、利用者が仮想空間の中に自分のワールドを構築するツールも用意されている。バーチャルグッズの販売はすでに「Roblox」や「Fortnite」といったゲームでの成功例があり、メタバースが話題になる中で物理的な制約を受けない仮想空間でのビジネスチャンスに関心を持つクリエイターは多い。Metaは、Horizon Worldsにおいてクリエイターや起業家が「それぞれに合ったビジネスモデルをより自由に見つけられるようになる」としている。

収益化のテスト開始を発表したブログ記事でMetaは手数料に触れておらず、発表後すぐに手数料率が議論になることはなかった。だが、サポートページを読むと、「関連するハードウェア・プラットフォーム手数料を差し引いた残りに25%のHorizon Worlds手数料が適用されます。例えば、クリエイターが1ドルでアイテムを販売した場合、Meta Quest Storeの手数料は0.30ドル、Horizonプラットフォームの手数料は0.17ドル(0.70ドルの25%)で、クリエイターには税引き前に0.53ドルが残ります」と記されている。CNBCなどが確認したところ、収益化テストで手数料はトランザクションごとに最大47.5%になる。

サービスとしてHorizon WorldsがMeta以外のプラットフォームで提供される可能性もあり、全てがMetaに支払われる手数料になるわけではないが、クリエイターは売上高の半分近くを手数料で徴収される可能性がある。Metaが発表で手数料に触れず、また過去に同社がAppleのアプリ内課金の販売手数料30%を批判していたことから、最大47.5%の手数料に失望や批判の声が上がった。

一方で、仮想ワールドのコミュニティで経済が機能し始める可能性に期待するクリエイターも多い。Horizon Worldsの収益化ツールはまだテスト段階であり、テストは始まったばかりだ。NFTマーケットプレイスOpenSeaの販売手数料は2.5%と低いが、Robloxでクリエイターや開発者の取り分はわずか28%であり、それでも同サービスは市場において強い競争力を発揮している。バーチャルグッズやサービスの販売におけるプラットフォームの役割、手数料の適用方法や適切な手数料率の議論が広がっている。