調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は3月10日、国内のDaaS(Desktop as a Service)市場の規模推移および予測を発表した。

これによると、DaaS市場の2020年度の売上金額は260億6,000万円で前年度比22.0%増となった。シェア上位のベンダーの大半が2桁成長となったことに加え、一部の大手ベンダーの躍進が市場を牽引したとしている。

  • DaaS市場規模推移および予測(2019~2025年度予測)出典:ITR

同社によると、クライアント環境の集中管理やクライアント統制、アウトソースによる管理負担の軽減などの需要のほか、コロナ禍におけるテレワーク対応の手段の一つとして、新規導入に加え、これまで導入が進んでいなかった部署・部門にも導入が拡大し、DaaS市場は活性化しているという。

また同社は、2019年からDaaS市場に参入した大手ベンダーがさらなる新サービスをリリースしたことから、企業のDaaSへの関心が高まっており、今後も導入が進むとみている。同市場のCAGR(2020~2025年度)は15.9%、2024年度には500億円規模に達すると予測している。

ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、「これまで導入・運用のコストや管理負荷の点から、オンプレミスのVDIを検討してこなかった企業においても、コロナ禍をきっかけに、ポータルサイトから迅速にDaaS環境を構築でき、コストも抑えられるケースが見られるパブリッククラウドDaaSの導入検討が増えてきている」とコメントしている。