急速に広がるテレワークと共に、DaaS(Desktop as a Service)が注目されています。そして、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)も需要が高まっています。リモートワークやハイブリッドワークの進化に伴い、DaaSによるデスクトップの統合のメリットは見過ごせなくなってきています。「2021 Gartner Market Guide for Desktop as a Service」によると、DaaSの収益は2020年に98%という驚異的な伸びを示しており、2021年末までに68%の伸びが予想されています。

VDIとDaaSは、一見するとよく似ています。どちらもユーザーが仮想デスクトップにアクセスできるため、IT部門は組織内のすべてのマシンにOSをインストールしたりアップデートしたりする必要がありません。

大きな違いは管理のオーナーシップとメンテナンスの必要性です。VDIは、主に企業のオンプレミス・データセンターで管理され、導入や更新も社内で管理されます。一方、DaaSはクラウド上でホストされ、サードパーティのプロバイダーによって管理されるVDIの形態です。管理の負荷に応じて、DaaSにはさまざまな種類がありますが、最終的には、プロバイダーが仮想デスクトップを顧客のエンドユーザーのデバイスにストリーミング配信することができます。

VDIとDaaSのどちらを選択するかは難しいと思われるかもしれませんが、企業にとって、リモートファーストの世界にテクノロジーインフラを適応させることがかつてないほど重要になっています。そのためにも、両方のテクノロジーをよく理解する必要があります。

VDIの長所と短所

VDIでは、デスクトップOSをオンプレミスのサーバ、クラウド、またはその両方でホストすることができます。最終的にVDIは、ユーザーが周辺機器上の仮想デスクトップやアプリにリモートでアクセスし、操作することを可能にします。

VDIの特徴の一つは、自己管理型であることです。つまり、ハードウェアのメンテナンス、アップグレード、ソフトウェアの更新、および一般的な維持管理は、企業のIT部門が担当しているということです。以下、VDIの長所と短所をまとめました。

VDIの長所

(1)簡単なデスクトップ設定 複数のグループがプールされたデスクトップを使用できるため、IT部門は各従業員に個別のデスクトップを設定する時間と労力を削減できます。

(2)長期的な節約を実現 エンドユーザーのデバイスへの要求が少なくなれば、理論上、ハードウェアはより長く使用できるはずです。また、古いデバイスでも互換性の心配なく仮想デスクトップにアクセスできます。

(3)サーバリソースが専用 VDIは多くの場合、共有サーバではなく社内のサーバでホストされているため、すべてのサーバリソースが専用になります。

(4)効率のよい操作性 アプリケーション、オペレーティングシステム、共有ツールが企業のネットワークに合わせて最適化されているため、ユーザーは一貫した効率的な操作が可能です。

(5)インフラのコントロールが柔軟 IT部門は、管理ツール、ソフトウェア、監視ツール、セキュリティツールを自由に使うことができ、必要に応じてインフラの構成を低レベルで変更することもできます。

(6)データが安全 機密性の高いデータを扱う企業は、そのデータや関連するセキュリティ対策を社内で管理したいと考えるかもしれません。

VDIの短所

(1)高額な初期費用 サーバハードウェアの新規購入、データセンターの準備、そしてVDIの導入には費用がかかります。VDIは初期費用に加えて、メンテナンスやアップグレード、ビジネスニーズの拡大に伴う変更など、継続的なコストが必要になります。

(2)継続的なメンテナンスが必要 VDIは社内で管理されているため、ハードウェア、セキュリティアップデート、オペレーティングシステム、および関連ソフトウェアのすべてを社内で扱う必要があり、継続的なメンテナンスとサポートが必要です。

(3)ネットワークパフォーマンスに影響 VDIの仮想デスクトップはエンドユーザーの近くに配置し、最適なユーザー体験を提供する必要があります。従業員が分散している場合、ネットワークの帯域幅や速度の問題に直面し、場合によってはVDIの追加導入が必要になるかもしれません。

VDIをオンプレミスではなく、クラウドでホスティングすることで、これらの懸念を軽減することができます。これがDaaSの役割です。