ソニーとKDDIは2月28日、5Gスタンドアローン(以下、5G SA)環境において、プレイステーションのゲームストリーミングと8K映像のリアルタイム配信の技術検証にそれぞれ成功したことを発表した。同検証では、5G SAの特徴であるネットワークスライシングを活用した。

両社は2021年1月から、5G SAを活用した新たなビジネスユースケースやエンターテインメントサービスの創出を目指した技術検証を推進しており、今回の検証もその一環だ。検証にはXperiaスマートフォンを用いたという。

5G SAとは、5G基地局と5G専用のコア設備を組み合わせて、5G技術だけで通信を可能としたシステムだ。ネットワークスライシングや、ユーザーの近くに配置されたサーバでデータ処理を行うことで低遅延な通信を提供する、マルチアクセスエッジコンピューティングなどへの活用が見込まれる。

  • ゲームストリーミングの検証イメージ

ゲームストリーミングにおいては、自宅にあるプレイステーションのゲームを外出先のスマートフォンからでも楽しめるリモートプレイを想定した検証を実施した。外出先のXperiaスマートフォンと自宅のプレイステーションを5G SAでつなぎ、ゲームストリーミング専用のネットワークスライスで接続したという。

検証の結果、ゲームストリーミング用スライスに接続したスマートフォンでは、通常スライスに接続したものと比較して、プレイステーションのゲームを高度なグラフィックで安定してプレイできることを確認したとのことだ。

  • 5G SA×ゲームストリーミングの構成イメージ

超高精細8K映像の配信においては、イベントのメイン会場とサテライト会場を5G SAによるライブ配信専用のネットワークスライスで接続した。8KのVR(Virtual Reality:拡張現実)化した映像をサテライト会場のビジュアルヘッドセット(Xperia View)へ配信できたようだ。

  • 5G SA×8K VRの構成イメージ

また、Xperiaスマートフォンを8K映像データの送受信機として使用することで、メイン会場のカメラとサテライト会場の大型ディスプレイを5G SAによるライブ配信専用のネットワークスライスで接続し、超高精細映像によるリアルタイム配信も可能にしている。イベントのメイン会場にいる演者と、サテライト会場の観客の間でのコールアンドレスポンスができるなど、インタラクション演出による一体感の醸成が期待できる。

  • 5G SA×イベントの構成イメージ