NTT東日本山形支店(以下、NTT東日本)は1月20日、山形県酒田市においてウェアラブル端末を活用し除雪作業中の安全および体調の管理に関する有用性を検証する実証実験を開始すると発表した。

同実証は、同社が提供するウェアラブルプラットフォームサービス「Wearable Connect(ウェアラブルコネクト)」を活用し、同市の日向地区において実施される除雪ボランティア活動「山形県酒田市日向地域支え合い活動 日向ささえあい除雪ボランティア」において行われる。1月22日および2月12日にそれぞれ検証を行う予定だ。

「Wearable Connect」はさまざまなウェアラブル端末やIoTセンサーとクラウドを接続し、端末装着者のバイタル情報や位置情報などをリアルタイムに収集するサービス。

  • 実証実験の取り組みイメージ

酒田市、NTTデータ、NTT東日本、東北公益文科大学は同市のデジタル変革推進による市民サービスの向上や地域課題の解決を目指して産学官共創の連携協定を締結している。今回はこの協定に基づいて、豪雪地帯の地域課題を解決するためのデジタルツール利活用を推進するとのことだ。

豪雪地帯では屋根の雪下ろしといった除雪作業中の事故が多発している。雪が多い年には年間1000件以上の事故が発生し、100人以上が亡くなる例もあるようだ。除雪作業中の屋根からの転落のほか、屋根からの落雪や転倒、重労働による体調不良に起因する発作などを防止するため安全策が求められている。

こうした背景を受けてNTT東日本と酒田市は、「Wearable Connect」を除雪ボランティア活動に活用し除雪作業中の安全および体調管理の実証に取り組む。ウェアラブル端末を装着した除雪作業者の状態を事務局が一元管理できる仕組みによって、除雪作業中の転倒や転落、体調の変化をモニタリングするという。

作業者が装着するウェアラブル端末は脈拍数の異常の検知に加えて、体温上昇の恐れの検知、転倒や転落による停滞状態の検知、作業者自身の操作によるSOSアラート送信、作業者の位置特定といった機能を備える。