パナソニックは9月24日、全国で自立支援特化型の通所介護施設を運営するポラリスと連携して、要介護高齢者向けに、IoT・AI技術を活用した短期滞在型の自立支援サービスを、リーガロイヤルホテル(大阪)にて、2021年10月1日より開始すると発表した。

ポラリスでは創業より高齢者の要介護度の改善に取り組んでおり、その結果7年間に2606名の介護度が改善され、516名が介護保険を使わずに自立生活が送れるようになったという。

ポラリスの自立支援ノウハウと、介護施設向け介護業務支援サービス「ライフレンズ」で培ったパナソニックのIoT・AI技術を融合し、リゾート地やホテルに滞在して短期集中で効果的に要介護高齢者を元気にする新しい介護サービスを展開する方針。

また両社は2018年2月より自立支援介護プラットフォームの共同開発を実施し実証している。今回、ウェアラブル機器やモバイル端末を用いて、リモート環境で高齢者の状態を把握できるリモートアセスメントシステムを共同開発した。

ポラリスのデイサービス事業拠点で同システムの検証を行い、直接対面なしで、リハビリプランを策定するためのアセスメント・予後予測を遠隔で実現できることを確認したという。検証結果に基づき、同システムを活用した新たな短期滞在型自立支援サービスをリーガロイヤルホテル(大阪)で開始する。

  • 短期滞在型の自立支援サービスの流れ

同サービスの流れとしては、まず、事前に送付されたリモートアセスメントキットのウェアラブル機器を、1~2週間程度の間自宅で装着し、タブレット端末でWeb問診を入力する。そして専門スタッフが、高齢者のウェアラブル機器の情報や入力情報、オンラインヒアリングの内容を踏まえ、現在の健康・廃用状況などに関する診断、予後推定を行い、改善プランを作成する。

利用者がその改善プランを確認し、滞在先でのサービスが開始される。そして専門スタッフによるリハビリが行われ、観光などの余暇も過ごす。3カ月の滞在で、自立した生活を目指すといった流れだ。

両社は今後、同サービスを国内外のさまざまなホテルやリゾート地にて展開していく方針。また、短期滞在帰宅後のコンシェルジュサービスを充実させ、自宅でも自立状態を維持するためのリハビリができる仕組みを構築していくとのことだ。