名刺管理サービスなどを手掛けるSansanは1月13日、2022年5月期第2四半期(2021年6月1日~11月30日)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比25.4%増の95億7700万円、営業利益は、マーケティング投資の強化や人材採用の拡大などが影響し、前年同期の6億8600万円の黒字から1億3300万円の赤字に転じた。一方で経常利益は、投資有価証券売却などの影響もあり、41.7%増の6億4300万円となった。

同社が展開する名刺管理サービス事業、請求書受領サービス事業はともに増収。特に、紙やPDFの請求書をオンラインで受け取ることができる「Bill One」は、クラウドサービスの売上指標となるMRR(月次経常収益)が前年同期比1131.4%増の6100万円、有料契約件数が677.0%増の575件と急成長している。企業規模問わず、さまざまな業種業態の顧客を獲得しており、日本国内において広大な開拓余地が存在するという。

また同社は、さまざまな形式の契約業務をオンライン上で完結し、一元管理を可能とする新しいクラウド契約業務サービス「Contract One(コントラクトワン)」を開始した。2021年7月にプレローンチし、すでに45社が先行導入しており、同日より正式提供を開始。

同サービスは、紙やPDFなどあらゆる形式の契約書をデータ化し、オンライン上に集約することで、全社での一元管理を可能にする。自社から紙の契約書を発行する場合でも、製本から押印・郵送、管理までを代行する。

Sansan代表取締役社長/CEO 寺田親弘氏は、「アナログを許容したデジタル化が求められる。周辺企業に負担を強いるデジタル化ではなく、周辺企業に左右されない自分たち本位のデジタル化が重要だ」と、新サービスの意義を強調した。

同社の2022年5月期通期の業績見通しは、売上高が前年同期比25%~28%増の202億3000万円、営業利益が38.9%減~8.6%増の4億5000万円~8億円としている。第2四半期までの実績は順調に進歩しているといい、連結業績の見通しに変更はなかった。