欧州委員会(EC: European Commission)は9月23日(現地時間)、「Press corner|European Commission」において、改正無線機器指令(revised Radio Equipment Directive)で、すべてのスマートフォン、タブレットデバイス、カメラ、ヘッドフォン、ポータブルスピーカー、携帯ゲーム機の標準ポートを「USB-C」(USB Type-C)にすることを提案すると発表した。同時に、電子デバイスの販売から充電器を切り離すことも提案している。

  • Commission proposes a common charger for electronic devices

    Commission proposes a common charger for electronic devices

この提案の背景には、互換性のない充電器によってユーザーの利便性が失われているとともに、電子機器の廃棄物の増加という問題がある。消費者は互換性のない充電器を複数購入せざるをえない状況にあり、さらに、電子デバイスを購入するごとに新しい充電器を購入することを強いられている。今回欧州委員会が提出した案は、標準ポートをUSB-Cに統一することでユーザーの利便性を引き上げるとともに、電子デバイスと充電器の販売を分離することで、既に持っている充電器の利用の促す狙いがあるとされている。

欧州委員会はこの取り組みによって年間約1000トンの電子機器廃棄物の削減が可能と推定しているほか、不必要な充電器の購入を回避することで年間2億5000万ユーロ削減できるという試算にも言及している。

今回提案された改正無線機器指令が効力を発揮するには、今後欧州議会と欧州理事会で通常の立法手続きが行われ採択される必要がある。採択日から24カ月間の移行期間が設けられる見通し。

なお、Androidスマートフォンは基本的にUSB-Cを搭載しているが、AppleのiPhoneは充電端子としてLightningを搭載しており、同社の動きに注目が集まっている。