東京商工リサーチは7月26日、上場企業1,898社を対象に実施した「2021年3月期決算『従業員数』調査」の結果を発表した。同調査は、2021年3月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に、有価証券報告書の従業員数(正社員)を抽出して分析したもの。2017年3月期決算から連続で比較可能な企業を対象(変則決算企業は除く)に、持株会社(事業会社への移行含む)と、送配電事業の分社化などを行い、従業員数の変動が大きい企業の多い「電機」は除かれている。

2021年3月期決算の上場1,898社の従業員数(正社員)は280万8,097人(前年比1.0%増)で、前年の277万9,467人から2万8,630人増えた。従業員数が最も多かったのは、トヨタ自動車(東証1部)の7万1,373人(前年7万4,132人)だった。これに、パナソニック(東証1部)5万9,006人(同6万455人)、デンソー(東証1部)4万6,272人(同4万5,280人)と大手メーカーが続いている。従業員数1万人以上は、前年と同数の43社だったという。

  • 3月期上場企業1,898社 従業員数ランキング 資料:東京商工リサーチ

従業員の増加率では、トップはコンテンツ制作などのブロードメディア(JASDAQ)で、前年比718.6%増(43人→352人)だった。子会社の吸収合併で8.1倍増となった。減少率では、大手スポーツウェアメーカーのデサント(東証1部)の同85.8%減(241人→34人)だった。一部業務を子会社に移管・集約し、大幅に減少した。

上場企業は関連会社などの吸収合併で、従業員数が大きく変動する。従業員数が前年から1万人以上増加したのは本田技研工業(東証1部)1社(前年ゼロ)で、1,000人以上の増加は5社(同7社)だった。一方、最も減少したのはシャープ(東証1部)の4,443人減少で、ディスプレイデバイス事業をシャープディスプレイテクノロジーに分社化したことによる。

  • 3月期上場企業1,898社 従業員数 前年比減少率ランキング 資料:東京商工リサーチ