リーダーに必要なもの 【私の雑記帳】

国と企業の関係

 

〝市場の声〟に耳を傾けるのは大事なことだが、市場が万能ではないこともまた事実。時に、市場は暴走し、市場独占が生まれ、ひいては格差拡大による社会不安が生まれることもある。

 国と企業の関係はどうあるべきか――。戦後80年を振り返ると、復興期は国主導で主要産業に資源を傾斜分配し、1960年(昭和35年)前後からの高度成長に結び付けた。

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 そして、日本は1968年(昭和43年)に当時の西ドイツ(現ドイツ)を抜いて、自由世界第2位の経済大国に成長。70年代の二度にわたる石油ショックを経て、高度成長から安定成長期に移行した。

 1980年代は『ジャパン・アズ・ナンバーワン』ともてはやされるが、日米貿易摩擦も生じた。80年代後半にはバブル経済に突入。その宴は90年代初めに終焉を迎える。いわゆるバブル経済崩壊だ。

 この間、日本は財政難にも陥る。経団連会長を務めた土光敏夫氏(東芝元社長、会長)が臨調(第2次臨時行政調査会)の会長となり、行財政改革を審議、提言を行い、政府は行政改革、3公社(国鉄、電電、専売)の民営化に着手する。

 国の基本構造や制度設計は政府が担い、そこに経済の富を創り出す民間人が加わって、成長とレジリエンス(耐性)のある社会づくりを進めていった。

 一方で、規制が強くなれば、民間の成長は抑制される。バランスが大事だ。現在の高市早苗政権の成長戦略は、国(政府)の役割をそれ相当に認めるもので、投資による需要喚起策だ。

 人口減、少子化・高齢化の波が進む中で日本再生をどう図るか?

 日本の潜在成長力は0.5%位で、他の主要先進国と比べ低いとされる。しかし、筆者が会う経済リーダーや識者の多くは、「日本には底力がある。それを発揮できていないのが現状」と口にされる。

 日本の底力を発揮するためにも、産・官・学の連携は不可欠だ。道州制などで地方自治のあり方を見直し、再編も必要になってくるであろう。政治、行政、経済の領域を問わず、リーダーに覚悟が求められる時代だと思う。

 

中長期視点でのビジョン

 ガバナンス(企業統治)をいかに進めていくか。ニデックの不正会計やKDDI子会社の架空循環取引、プルデンシャル生命の金銭詐取問題など、企業の不祥事が相次ぐ。

 近年はガバナンス強化の努力が成されてきたが、不祥事を起こした企業を見てみると、経営の基本軸が失われていることが多い。

 社外取締役や各種委員会設置で、監視の目を光らせれば済むなどという話ではない。何のために生き、何のために働くのか。また、企業の存在意義は何かという根本的な問いかけと反省も必要だと思う。

 そうした点を見つめ直すと共に、混迷する時代を企業が生き抜くには、中長期視点によるビジョンづくりも重要となる。

 みずほフィナンシャルグループの取締役会議長を務めた経験があり、現在もオムロンや富士通の独立社外取締役を務める小林いずみさんは、「中長期視点でビジョンをつくっている所は、オーナー経営者かオーナー的経営をしている所が多い」と指摘される。

 当座の問題処理にばかり追われ、自分の在任中はとにかく無難に、というサラリーマン的感覚の経営では生き残れない。

 リーダーには目先に捉われない中長期視点でのビジョンが求められる。

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