セールスフォース・ドットコムは5月20日、Salesforce Industry 360の新たなサービスとして、会員向けプログラムプラットフォーム「Salesforce Loyalty Management(以下、Loyalty Management)」を日本市場で提供開始した。価格は、B2B Loyalty Managementは4,320万円~/組織/年、B2C Loyalty Managementは5,040万円~/組織/年。

  • Salesforce Loyalty Management

Salesforce Industry 360は、業種に特化したCRM環境を提供するプラットフォーム。

常務執行役員 インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 今井早苗氏

常務執行役員 インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 今井早苗氏は、「Customer 360のパワーを最大限活用するためには、業界特異なものにパーソナライズする必要がある。医療業界向けはPatient 360になり、通信メディアではSubscriber 360、金融業界向けはClient 360となる。こういったものを総称してIndustry 360と呼ぶ。業界に特化したIndustry 360を提供することで、ユーザー企業に寄り添い、ユーザー企業により貢献できる」と説明した。

Industry 360は、国内で8サービスをこれまで提供しており、Loyalty Managementは9つ目。近く、Health Cloudを日本で正式に提供する予定となっている。

  • Salesforce Loyalty Managementのラインナップ

Industry 360では、Sales Cloud、Service Cloud上に業界特有のUI 、ロジック、データ モデルを標準機能として実装する。

「これにより迅速に展開できるだけなく、年3回のバージョンアップのベネフィットも享受できる」(今井氏)

  • Loyalty Managementのプラットフォーム

Loyalty Managementは、会員のロイヤルティに関連する行動やステータスを管理でき、階級別のメンバーシッププログラムや購入頻度に応じたポイント付与ルール、特定の購買チャネルでの行動に応じた期間限定のクーポン発行などを設定可能。

  • Loyalty Managementのメリット

機能としては、パートナー管理(ポイント引換対象)、リワード管理(ポイントの獲得と利用のルール)、特典管理(特別な体験など)、動的プロモーション管理(スケジュールや期間限定プロモーションなど)、バウチャー管理(割引券やクーポン)、アナリティクス、ロイヤルティプロセス管理(会員のステージやポイントの有効期限などのルール)、業種別テンプレートがある。

  • Loyalty Managementの機能

今回新しい技術として、顧客の行動やポイント消費/獲得データ、一元的に蓄積する機能を提供するという。

Loyalty ManagementはSalesforce Digital 360、Service Cloud、Tableauとも連携し、分析テンプレートも標準で提供される。

  • Loyalty Managementの分析機能

会員をセグメント別にターゲティングし、消費者、法人顧客、パートナー企業、従業員などへの提供サービスを独自にカスタマイズできる。また、Loyalty Managementにマーケティング活動や購買履歴、ウェブサイト訪問履歴などのデータを取り込み、統合された顧客ビューを作成することで、より動的なプロモーションが可能となるという。

同社は、企業のデジタル担当者はカスタマージャーニー全体でつながったロイヤルティ体験を実現できるとしている。

インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 小売消費財 シニアマネージャー 国本久成氏

インダストリーズ トランスフォーメーション 事業本部 小売消費財 シニアマネージャー 国本久成氏は「企業のロイヤリティプログラムでは、ポイントや割引などの経済的な側面と、自分は顧客として重要視されていると感じる感情の両方をサポートする必要があるが、プログラムの多くは経済的な側面に依存する傾向がある。本質的な顧客ロイヤリティを育むためには、感情的な側面に着目する必要がある、大事な顧客として扱っているというメッセージやコンタクトセンターでの応対、特別な体験など、一貫性のあるコミュニケーションを行うことが重要になる」と、ロイヤリティではパーソナライズが重要な要素だと語った。