富士通は10月16日、実店舗において顧客のスマートフォンで購入・オンライン決済できる「FUJITSU Retail Solution Brainforce ウォークスルーチェックアウト」、およびキャッシュレス決済に特化したサービス「FUJITSU Retail Solution Brainforce キャッシュレス決済」を同日より販売開始すると発表した。

ウォークスルーチェックアウトは、自身のスマートフォンのアプリから商品のバーコードをスキャンしながら買い物し、レジを通さず、そのままスマートフォンで決済できるというシステム。

  • ウォークスルーチェックアウトの特徴

利用者は事前登録した上で来店し、チェックイン。その後、スマートフォンで商品のバーコードを読み取りながら買い物。買い物が終了したらスマートフォン上で決済し、決済後にスマートフォンに表示されるQRコードを店舗出口などに設置したQRコードリーダーにかざす運用(チェックアウト)により、不正防止を図る。

支払いは、クレジットカードとpaypayに対応するが、今後、拡大するという。

  • ウォークスルーチェックアウトの利用の流れ

顧客にとっては、合計金額を確認しながら買い物ができるため買い過ぎを防止でき、レジに並ぶ必要がないため買い物時間の短縮などにつながるほか、店舗側にとっては、レジ対応人員を効率化しレジ台数を見直すことで、レジ運用コストや店舗スペースの削減が可能だとしている。

クラウドサービスで提供し、料金は個別見積もり。店舗数と利用人数に応じた価格体系で、10店舗以下、利用者1万程度で、月額30万円程度(税別)~だという。

バーコードは、POSのデータをそのまま利用でき、購買履歴のほか、どの場所で買い物をしたか、買ったもののキャンセル(興味はもったが買わなかった)という行動履歴のデータも採取できるという。

同社は今後、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業者に向け、オンラインとオフラインを融合した便利な買い物ができ、小売業者は業務効率化とデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進できる新たなソリューションとして、「FUJITSU Retail Solution Brainforce」を提供していく予定で、ウォークスルーチェックアウトやキャッシュレス決済は、その第1弾。

富士通 ファイナンス&リテイルソリューションビジネスグループリテールシステム事業本部 第二ソリューション事業部長 清水圭氏は「Brainforce」は、クラウド展開で、提供するAPIを活用することでシステム開発せずに利用できること、スマートアプリのテンプレートを提供することで、短期間で導入できること、会員数や店舗数に応じた料金体系でスモールスタートができることの3つが特徴だとした。

  • 富士通 ファイナンス&リテイルソリューションビジネスグループリテールシステム事業本部 第二ソリューション事業部長 清水圭氏

今後、ネットスーパーやギフト予約販売、インストアマーケティング施策、従業員の業務支援機能などを順次商品化し提供する予定で、2022年度末までに関連ビジネスを含め 「Brainforce」シリーズ全体で、約200億円の売上を目標にしている。

  • 「Brainforce」シリーズでリテールビジネスのデジタルシフトに向けた業務アプリケーションをクラウドで提供