国立科学博物館は8月3日、2020年7月2日2時32分ころに千葉県を中心に関東地方で西から東へ流れる様子が観測された火球に由来する隕石の2つ目を千葉県船橋市で確認したことを発表した。

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    千葉県船橋市で発見された隕石 (C)国立科学博物館

新たな隕石は、先に発見されていた千葉県習志野市の隕石(仮称:習志野隕石1号)の発見場所から約1km離れた船橋市内のアパートの駐車場近くの地面で発見されたもので、先の隕石同様、千葉県立中央博物館に問い合わせがあり、実物を確認後、国立科学博物館に分析を依頼。国立科学博物館にてガンマ線測定を行った結果、隕石の証拠となる宇宙線生成核種のアルミニウム-26(半減期約70万年)、ナトリウム-22(半減期約2.6年)、マンガン-54(半減期約312日)が検出されたことから、最近の隕石であることが確認されたという。

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    習志野隕石2号(仮称)のガンマ線スペクトル (C)国立科学博物館

発見された隕石は、95gと73gの「習志野隕石2号(仮称)」と名付けられた2つの破片のほか、5g以下の小さな破片も8個(合計183g)見つかったという。

国立科学博物館では、この火球由来の隕石の測定結果を踏まえ、今回の隕石が分裂して広い範囲に落下する隕石雨であることが明らかになったとするほか、火球の観測結果から数kgサイズとされる本体は見つかっておらず、まだ大きな隕石片がほかにも落下している可能性があるとしている。

なお、隕石の名称は、最初に発見されたのが習志野市であること、また習志野がこの地域の名称として知られていることから「習志野隕石」として国際隕石学会に登録申請する予定であり、今後、分類の確定を進めるとしている。