NECは12月25日、AI(人工知能)技術を活用し、証券・銀行・保険などの金融取引におけるリスク・不正対策業務の効率化・高度化を実現するソリューションを順次販売していくと発表した。

第1弾として、証券業界向けに、不公正取引の審査業務を支援するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」の提供を開始する。同サービスは、Amazon Web Servicesのクラウド環境から提供される。

AI売買審査支援サービスは、ディープラーニング技術を搭載した高精度な予測を実現する「RAPID機械学習技術」を用いて、取引データを対象に不公正取引の可能性を高精度にスコアリングする。これにより、従来1件1件手作業で審査担当者が調査・分析していた売買取引の最終審査を支援し、審査業務の効率化・高度化を実現する。

また、膨大なデータに混在する多数の規則性を発見し、高精度の予測だけでなく分析結果の根拠まで説明可能なAIである「異種混合学習技術」を活用しており、スコアリングなどの分析結果だけでなく不正と判断した根拠もAIが導き出すことが可能としている。

AI予測モデルは、約495万の証券総合口座数を有するSBI証券の審査ノウハウとNECのデータサイエンティストのノウハウに基づいている。

AI売買審査支援サービスは、SBI証券による採用が決定しており、2020年1月より運用を開始する予定。

  • 「NEC AI売買審査支援サービス」の利用イメージ