エーザイとFRONTEOは9月26日、入院患者の転倒・転落リスクを事前に予測し、アラートを表示する転倒・転落予測システム「Coroban」を医療機関向けに発売を開始した。新システムを用いて、各患者の転倒・転落リスクに対する個別のケア・看護計画への反映を行うことで、医療関係者の業務の負担軽減やリスク評価の均質化・客観化などが期待されるという。

  • 「Coroban」が提供するサービスのイメージ

    「Coroban」が提供するサービスのイメージ

エーザイは、骨粗鬆治療薬や不眠症治療薬の発売を通じ、医療機関における転倒・転落予防対策が重要であることを認識してきた一方で、FRONTEOの100%子会社でヘルスケア分野に特化したデータ解析企業であるFRONTEOヘルスケアは、独自開発した自然言語処理技術に基づく人工知能エンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を有している。

両社は昨年1月から新システムの共同開発を開始し、エーザイが有する医療機関とのネットワークを活かして全国の複数の医療機関で試験導入を行い、臨床現場で表出されたニーズに基づき、新システムの改良を進めていた。

新システムは、医療機関ごとの過去の入院患者の看護記録などを学習し、それを基に毎日の看護記録から個々の入院患者の転倒・転落リスクをスコア化することで、リスクの高い患者の情報を表示する。