マイクロソフトは9月26日、クラウド&AIのテクニカルスキルの向上や、人材育成に向けての同社の取り組みについて説明した。クラウド&AIの人材育成は、2020年度の日本マイクロソフトの注力分野3つのうちの1つ。
日本マイクロソフト チーフラーニングオフィサー(CLO)執行役員 プロフェッショナルスキル開発本部長 伊藤かつら氏は、人材育成とは、「Tech Intensity(技術強度)」を高めることだとし、「Tech Intensityは、経営の柱としてどれだけテクノロジーを据え、それを組織文化と有効活用し、会社の力としていくかだ」と説明した。
同社では、そのために今年の7月1日、伊藤氏をCLO(Chief Learning Officer)に任命した。伊藤氏によれは、同社のCLOの役割は、デジタルトランスフォーメーションを推進する人材の育成を行うことで、育成の対象は、顧客、パートナー企業、マイクロソフト社員の3つだという。
顧客、パートナーに向けての施策では、大企業に向けては、同社が直接育成プログラムを提供。そのために、Azureテクニカルトレーナーやトレーニングプログラムマネージャーというポジションを作成。このポジションの人間が、コンサルタントとして企業の人材プランを作成し、実際の育成プログラムを提供するという。
そして、人材育成の成果については、認定資格制度の取得状況で判断するという。
パートナーに向けては、パートナービジネスプランの中で、認定資格制度の有資格者の目標値を定め、取り組んでいるという。目標値は、ビジネスを行う上での最低ラインで、それほど高い数字は設定していないという。
中堅中小の顧客に向けては、無償のオンライントレーニング(Microsoft Learn)やスキルを高める無償イベントを開催。Microsoft Learnは、日本語化された唯一のトレーニングサイトとして、今後運用していくという。
そして社員に向けては、必要なテクニカルスキルを役割ごとに定め、トレーニングの履修を促しているという。また、ソフトスキルとしてのセールススキルやコンプライアンスなど知識のほか、コーチングなどのマネージャースキルの3つスキル高める取り組みをしており、オンライントレーニング、座学、ハンズオン、ワークショップ、ロールプレイ、On The Jobトレーニングを繰り返し行っているという。
ただ、社員は普段業務で忙しく、なかなかトレーニングができないという状況が生まれるため、毎週木曜日を「Lerning Thursday」と称して1時間は学習に当てるほか、毎月最終木曜日は5時間、ラーニング時間に割くよう推進しているという。
伊藤氏は社員に向けたトレーニングのポイントについて、「サークル活動などで、ラーニングをやっていることが楽しいと感じてもらうことが必要で、こういうことが当たり前だというカルチャーを作ることだ。資格を取るということも仕事の1つだと感じてもらうことがマイクロソフトを次のトランスフォーメーションにもっていくドライバーになる」と語った。