FRONTEOは11月22日、人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」のビジネス領域における導入・普及を加速させるため、販売パートナー向けプログラム「KIBIT Partner Network(KPN、キビット パートナーネットワーク)」の提供を開始した。

KPNの提供を通じ、同社はパートナー各社が持つ技術や顧客ネットワークといったリソースを活かし、KIBITを核としたAIソリューションに対する認知度向上と潜在的な業種・業態の顧客接点を拡大していく。

KPNは、パートナーの専門性や協業レベルに合わせて「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3階層の認定資格を用意しており、営業支援、勉強会の実施、ビジネスプランの作成などユーザー企業の課題解決に必要となるスキルやナレッジの共有ならびに支援を包括的に行う。さらに、KIBITをベースとしたAIエンジニアの育成はもとより、パートナー各社の注力領域 におけるソリューションポートフォリオの拡大やAI事業の成長を支援するとしている。

  • KPNの概要

    KPNの概要

FRONTEO ビジネスソリューション本部 企画部 部長代理の正見卓司氏はKPNの基本理念について「パートナーにとって付き合いやすいベンダーとなる『ベストパートナー』、パートナーとの利益の持続的向上を図る『利益向上』、パートナーとのソリューションポートフォリオの拡大に責任を持つ『戦略向上』の3つだ」と力を込めた。

  • FRONTEO ビジネスソリューション本部 企画部 部長代理の正見卓司氏

    FRONTEO ビジネスソリューション本部 企画部 部長代理の正見卓司氏

また、パートナー各社とともに、企業のさまざまな業務や社会における人々の生活に対して、自然言語処理領域におけるAIソリューションを通じた、新しい付加価値の創出を目指す考えだ。KPNでは、KIBITを核としたAIソリューションと、顧客への提案から運用・定着までの各プロセスにおける包括的なノウハウを体系化した支援メニューを提供する。

パートナー各社は、KPNへの参加により、顧客への実践的な課題解決をスピーディーかつ幅広く提供できるようになる。また、自社のテキストデータの資産を活かし、課題への対応を検討しているユーザー企業においても、普段活用している身近なシステムインテグレーターに、KIBITをベースとしたソリューションの業務実装と運用・定着に関して相談できる環境が広がるという。

  • KPNによるベネフィット

    KPNによるベネフィット

KPNの対象となる同社の製品は、ビジネスデータ分析支援システム「KIBIT Knowledge Probe」 シリーズ、特許調査・分析システム「KIBIT Patent Explorer」シリーズ、電子メール自動監査システム「KIBIT Email Auditor」シリーズ、Q&A システム「KIBIT Find Answer」シリーズ、外部システムと連携するAPI「KIBIT-Connect」(ゴールドパートナーのみ)となる。

加えて、パートナー各社は11月16日に開設した「FRONTEO AI BizDevOps Lab.(フロンテオ エーアイ ビズデブオプスラボ)」の活用も可能となる。

FRONTEO 執行役員 ビジネスソリューション本部 本部長の手塚清二氏は「ビジネスシーンにおいて、より広い範囲で適用できる環境を構築したいと考え、われわれのテキストマイニングのAIがどのような領域に適用可能なのかという知見が蓄積してきたため体系化した」と、KPNを開始するに至った経緯を説明した。

  • FRONTEO 執行役員 ビジネスソリューション本部 本部長の手塚清二氏

    FRONTEO 執行役員 ビジネスソリューション本部 本部長の手塚清二氏

今回、早期パートナーとしてSCSKとTISの2社が参画している。SCSK 上席執行役員 プラットフォームソリューション事業部門 ITエンジニアリング事業本部長の上野裕治氏は「KIBITの適用を拡大するためのプロモーション、そしてKIBITをベースとしたAIエンジニアの育成に重きを置いており、われわれが注力している領域と合致している」と、述べた。

  • SCSK 上席執行役員 プラットフォームソリューション事業部門 ITエンジニアリング事業本部長の上野裕治氏

    SCSK 上席執行役員 プラットフォームソリューション事業部門 ITエンジニアリング事業本部長の上野裕治氏

TIS 常務執行役員 サービス事業統括本部 デジタルインテグレーション事業部 担当兼製造サービス事業部担当 AIサービス事業部長の小竹裕之氏は「AIサービスを形にする際は従来の枠組みに加え、違う文化、新しいテクノロジーを有する企業と組み、スピード感が必要となる。第1弾としては、製薬業界向けに業務を高度化するソリューションの提供を予定している」と説明した。

  • TIS 常務執行役員 サービス事業統括本部 デジタルインテグレーション事業部担当兼製造サービス事業部担当 AIサービス事業部長の小竹裕之氏

    TIS 常務執行役員 サービス事業統括本部 デジタルインテグレーション事業部担当兼製造サービス事業部担当 AIサービス事業部長の小竹裕之氏