NTTデータでは、「複数のメディア」に対して「リアルタイム」に、「継続性」を確保しながら情報を発信できる"防災情報伝達のあるべき姿"を目指して、「減災コミュニケーションシステム」を提供している。これは屋外に設置されたスピーカーに加えて、すでに社会インフラとして使用されているスマートフォンやタブレット、ラジオへ一元的に情報配信できるという防災情報伝達システムだ。

  • 「減災コミュニケーションシステム」

    「減災コミュニケーションシステム」

「スマートフォンからの遠隔放送もできるため、災害時にスピーディな情報発信が可能です。従来の地域・戸別への配信に加えて、SNSやテレビなどを活用することで個人への確実な情報伝達を実現します」と、阿部氏は同システムの特徴を説明する。

情報の発信は一元化されているため、発信者の負担を増やすことなく、複数のメディアに対して情報を届けることができるのだという。

さらに、今後は低い消費電力で数kmの距離を対象にできる無線通信技術の「LPWA(Low Power Wide Area)」を活用することで、防災情報伝達システムの高度化を目指している。

  • 防災情報伝達におけるLPWAの活用

    防災情報伝達におけるLPWAの活用

「LPWAは500m~1.5kmほどの通信環境を構築することができます。スマホやテレビなどを保有していない一般世帯でも、LPWA個別受信端末を配布することで、戸別への配信を強化できるでしょう。また、LPWAは大きな可能性を持っており、防災を起点に地域の生活情報やインフラ保守、教育、農林水産業、観光といった新たな行政サービスを提供していきたいと考えています」

  • LPWA対応戸別受信端末の概要

    LPWA対応戸別受信端末の概要

  • 防災起点で広がるLPWAの拡張性

    防災起点で広がるLPWAの拡張性

AIやIoTセンサーがさらなる進化を遂げれば、さまざまなデータから災害の発生を予測して防災情報の発信を自動化するということも不可能ではないのかもしれない。