Microsoftは2017年10月24日(現地時間)、Kubernetes(クーべネティス)をMicrosoft Azure上で利用可能にする「Azure Container Service」のプレビュー版をリリースしたことを公式ブログで明らかにした。同社は以前からAzure Container Serviceを「ACS」として提供していたが、今回のkubernetesサポートにより略称を「AK(ubernetes)S」に改称する。

Kubernetesはネットワークインフラなど煩雑な管理を緩和し、自動展開やスケーリングといったコンテナの運用を自動化するプラットフォームである。Googleがオープンソースとして公開してからは、MicrosoftやRedHatなど多くのIT企業が開発に参加表明した。開発者はAKSを利用することで、Microsoft Azure上で最適化したコンテナホスティングソリューションの作成や、Kubernetes(もしくはDC/OS、Docker Swarm)を用いたアプリケーションのスケーリング及びオーケストレーション(構築、運用管理の自動化)、OSS(オープンソースソフトウェア)のクライアントサイドツールの使用や、コードを変更せずにMicrosoft Azureのコンテナワークロードへの移行が可能になる。

MicrosoftはAzure CLI上でAKSクラスターを用意し、Kubernetesのアップグレードやクラスターノード数の拡張を行うデモンストレーションを披露した

Microsoftは2015年から複数のコンテナオーケストラをサポートしているが、Kubernetesが事実上の標準化になりつつある現状を踏まえ、AKSのサポートと改称に踏み切ったとみられる。2017年初頭にはKubernetesに深く関係するDeisを買収し、Kubernetesの共同制作者であるBrendan Burns氏はMicrosoft Azureのコンテナ開発に深く関与してきた。また、MicrosoftはDockerプライベートレジストリを管理するAzure Container Registryの提供も開始し、OSSへの関与を深める姿勢を見せた。なお、AKSは無料利用が可能だが仮想マシンの使用料が発生する。

阿久津良和(Cactus)