日本オラクル 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 杉原博茂氏

日本オラクルは10月24日、最新版のデータベース「Oracle Database 12c Release 2」により、企業システムのクラウド移行を支援する取り組みを発表した。同製品は、オンプレミスに先立ち、クラウドサービス「Oracle Exadata Express Cloud Service」から提供が開始される。

説明会では初めに、取締役 代表執行役社長 兼 CEOの杉原博茂氏が「AWSのAuroraはAWSのクラウド上でなければ動かないなど、他社のデータベースは独自のハードウェアやプラットフォームでしか動かない。しかし、われわれのOracle Databaseはあらゆるプラットフォームで動作するので、顧客の投資を保護する。また、C、Java、Rubyなど、開発言語もさまざまなものをサポートし、標準化されたSQLによるデータアクセスが可能であるため、Oracle Databaseはあらゆるデータが扱え、あらゆる開発言語から利用できる」と、Oracle Databaseの優位性をアピールした。 

米オラクル データベース・サーバー技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデント アンドリュー・メンデルソン氏

続いて、米オラクル データベース・サーバー技術担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏が「Oracle Database 12c Release 2」の特徴について説明した。

メンデルソン氏は「迅速性」「伸縮性」「低コスト」といった理由から、データベースもオンプレミスからクラウドへ利用するという転換が進んでいると述べた。こうした動きに対応するため、「Oracle Database 12c Release 2」ではクラウドの利用に適したアーキテクチャや機能が採用されている。

その具体例として、「マルチテナント」「Sharding」「インメモリ」が挙げられた。マルチテナント機能を利用すれば、1つのマルチテナント・コンテナ・データベースに4096のプラガブル・データベースを収納することができるため、コストが抑えられるという。

また、メンデルソン氏はクラウドで利用するデータベースとして、AWSと同社のどちらが優れているかを比較して見せた。「Oracle Exadata Express Cloud Serviceはデータベースに最適化されたIaaSで動作することが、AWSに対する優位性であり、オンプレミスと100%互換性があるため移行が容易であるほか、迅速かつ柔軟なWebベースのプロビジョニングとオンラインでバーストキャパシティを利用できるなど、パブリッククラウドのメリットを享受できる」と同氏。

さらに、メンデルソン氏は「オラクルはAWSと比べて、オープンであり、高速である」と訴えた。同社はOracle Cloud上のOracle DatabaseとAWS上のOracle Databaseのベンチマークを実施して、その結果をWebサイトに公開しているが、オンライン・トランザクションとデータウェアハウス・クエリーにおいて、Oracle Cloudのほうが高速だという結果が出ているという。

AWSのメリットとも言われる「コスト」についても、メンデルソン氏は言及し、「Exadata Express Cloud Serviceはオプション込みながら、月額1CPU当たり175ドル(日本円で月額2万1000円・税別)から始めることができ、これはAWSよりも安い」と、同社のほうが低コストであるとアピールした。

執行役 副社長 クラウド・テクノロジー事業統括 石積尚幸氏

最後に、執行役 副社長 クラウド・テクノロジー事業統括の石積尚幸氏が、「Oracle Database 12c Release 2」により、企業システムのクラウド移行を支援する取り組みについて説明した。

石積氏はデータベースをクラウドに移行するメリットとして、「SoRのデータベースをクラウドに移行してコストを削減することで、SoRに投資が可能になる。また、Oracle Database 12c Release 2のマルチテナント・アーキテクチャを利用すればポータビリティが上がり、さまざまな環境に応じてデータベースをタイムリーに移動できるようになる」と語った。

マルチテナント・アーキテクチャは複数のプラガブル・データベース間でデータベース・インスタンス領域とメモリ領域、プロセスなどを共有するため、サイロ構成や仮想化よりも高い集約率での統合が可能だという。また、バラバラな手法で個別に行っていたバックアップやチューニングも一本化されるため、運用コストも削減される。

同社の社内検証では、同じ環境だったら5倍の数のデータベースを統合でき、同じ性能を出すために必要なメモリサイズを8分の1に縮小できたという。

企業システムのクラウド移行を支援するさまざまな取り組みとしては、「ISV Cloud Ready」プログラム、オラクル・コンサルティングのクラウド向け新サービス、クラウド・エンジニアの育成を推進していく。

例えば、オラクル・コンサルティングサービスでは、顧客の次世代システム構想の策定を支援する「Architecture Blueprint and Roadmap for Oracle Cloud 」、既存の「Oracle Database」からの移行を加速する「Migration Service」を提供する。