東ソーは7月15日、画面が屈曲できるディスプレイの品質向上に向けたガスバリア材料「TG-4E」を開発したと発表した。

有機ELを用いたディスプレイのフレキシブル化に向けて、樹脂フィルム基板上に有機ELを保護するガスバリア膜を作製することが検討されているが、従来材を用いた膜はガスバリア性が低く、水や酸素の透過によって有機ELのドット抜けなどが発生してしまうという課題があった。

TG-4Eでは、従来材であるヘキサメチルジシロキサンに比べ、高いガスバリア性を有する膜を作製可能で、同一膜厚条件で従来材の10倍以上のガスバリア性を実現。従来材によるガスバリア膜のように淡黄色とならず、透明度が高い膜が作製できるため、画質の向上が期待できる。また、TG-4Eで作製された膜は伸縮性が高く、耐クラック性・耐屈曲性に優れ、加温による樹脂フィルムの伸張にも対応可能となっている。

同社は、同材料を使用して製膜法のひとつであるPECVD法(プラズマ励起化学気相成長法)によりガスバリア膜を作製し、極めて高いガスバリア性を発揮することを確認しており、今後、国内外のデバイスメーカやフィルムメーカでの性能評価を進めていくとしている。

ガスバリア性能の比較