大日本印刷(DNP)は3月31日、同社独自の化学蒸着技術を応用し産業用途向け透明ハイバリアフィルムを開発したと発表した。

同社はこれまでに、透明性の高いバリアフィルム「DNP透明蒸着フィルム(IB:Innovative Barrierフィルム)」を量産しており、食品包装や輸液バッグなどの幅広い用途に展開してきた。

今回同社は、IBフィルムで培った量産技術を応用し生産性を高めるとともに、水蒸気や酸素のバリア性能を向上。新たに開発されたフィルムでは、1日の1m2あたりの水蒸気透過率が0.0004gと、以前開発したハイバリアフィルムの0.005gと比較して1/10分以下の高い水蒸気バリア性を実現している。

また透明性や光の透過率も向上しており、フレキシブルな有機太陽電池や有機ELディスプレイなど、ガラスの使用が難しくバリア性が必要な製品への利用が想定されている。同フィルムは、4月6日~8日に東京ビッグサイトで開催される「第7回高機能フィルム展」に出展される予定。

同社は今後、IBフィルムの産業用途での展開に注力し、2020年に年間150億円の売上を目指すとしている。

従来品との比較