TANAKAホールディングは4月6日、田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業が、2015年4月から、イットリウム系超電導線材用の銅配向金属基板の専用生産ラインを構築し、量産体制を確立したことを発表した。

今回の取り組みは、同社が中部電力、鹿児島大学との共同開発により2008年よりサンプル出荷を行ってきた超電導線材の「銅配向金属基板」の、製造設備条件の最適化を図ることで長尺基板製造が可能になったことを受け、国内外の需要に迅速に対応することを目的に実施されたもの。

これにより、長距離大容量送電系統の安定化が求められる送電ケーブルや、高磁場を必要とする磁気共鳴画像装置(MRI)、核磁気共鳴分析機器(NMR)、大型船舶のモーターなどの分野での活用が見込めるようになるという。

なお田中貴金属工業では、2020年までに年間12億円の売り上げを目指すとしている。

3層に加工された銅配向金属基板。厚さは0.1mm、幅は10mm