セキュリティへの考えは?

同氏は発表の中で、LINEビジネスコネクトを展開していくうえでのセキュリティ(プライバシー)に対する考えについても触れた。

「まず1点目。ユーザーからの情報は、あくまでユーザーの同意に基づいたうえで、企業側にLINEビジネスコネクトを経由して、伝えられる。ユーザーの同意なく、勝手に企業側にLINEビジネスコネクトを経由して送られることは一切ない」

「2点目、メールアドレスや電話番号のような、ユーザーがLINEを利用するために登録した情報がそのまま企業に伝達されることは一切ない。LINEから企業に伝達する情報は、あくまでLINEが各ユーザーを内部的に識別するために使う識別番号のようなものだけ。万が一(あってはならないが)その番号が漏れた場合でも、その番号だけを知っている第三者が何かすることは一切できない。個人特定はもちろん、個人にLINEを通じて友達追加を呼びかけることも不可能」

「3点目。(もちろん)LINEから流出することではなく、企業がもともと持っていた顧客データがLINEを通じて漏れる可能性はない。外部の企業が従来持っていた、あるいはLINEビジネスコネクトを活用して提供するサービスで収集した個人情報やログは、LINE側では一切保持しない。LINEはあくまで、企業の顧客データベースの出口、あるいは入り口にある透明なパイプとして機能する」

田端氏は「あえて強引に例えるなら、FAXのようなもの」と表現

LINEがマーケティングインフラになる可能性

LINEでは、LINEビジネスコネクトの導入を加速させるため、SIerやCRMサービスを提供するベンダーとのパートナー提携を進めている。第一弾として、2014年6月にセールスフォース・ドットコムとの提携を発表。CRMサービス「Salesforce ExactTarget Marketing Cloud」とLINEを連携し、ユーザー企業がSalesforceの製品を使うだけで、LINEビジネスコネクトのAPI連携をすぐに利用できるようにした。

先日には、銀行業界共通の仕組みであるNTTデータのANSERの個人向けネットバンク実現機能とLINEビジネスコネクトの連携も決定。LINE上で金融サービスやオンラインバンキングサービスを積極的に推進していくという。

さらにLINEでは、より多くのベンダーとLINEビジネスコネクトをサポートするパートナープログラムも開始。既にサイバー・コミュニケーションズ、サイバーエージェント、DAC、オプト、電通レイザーフィッシュ、株式会社セールスフォース・ドットコム、NTTデータ、トランスコスモス、トライバルメディアハウスの9社が参画している。

LINEが目指す世界

最後に田端氏は、以下のようなメッセージで締めくくった。「これまでのLINEは、人と人とをつないでいた。LINEビジネスを通じて、人と物を、人とお金を、人とビジネスをつなぐことで、すべての人々の生活をより便利に、より豊かに変化させる社会インフラを目指していく」