東芝は11月21日、福島第一原子力発電所向けに、人が作業できない場所での調査・復旧作業を実施する4足歩行ロボットを開発したことを発表した。

同ロボットはカメラや線量計を搭載し、遠隔操作で原子力建屋内の状況把握が可能な作業ロボット。独自開発した不整地や段差での歩行を制御するアルゴリズムと多関節構造により、4足で障害物を避けながら歩行するとともに、階段を登り降りできるため、従来の車輪やクローラタイプのロボットでは到達困難だった場所で作業が可能になるという。

また新たに、同ロボットと有線で接続され、狭隘路の先や構造物の陰にある設備・機器・配管の状態を撮影する小型走行車も併せて開発したという。

なお同社は、今後も作業ロボットの技術開発を進め、遮蔽体の搬入・設置、止水作業、障害物搬出などの応用動作に対応できるようロボットに改良を加えていく方針としている。

ロボットと小型走行車の概要は以下のとおり。

4足ロボットの概要

  • 重量:65kg
  • 外形寸法:624mm×587mm×1066mm
  • 電源:バッテリー
  • 駆動時間:2時間(連続歩行の場合)
  • 可搬重量:20kg
  • 歩行速度:1km/h
  • 操作方法:無線

小型走行車の概要

  • 重量:2kg
  • 外形寸法:313mm×327mm×47mm
  • 電源:バッテリー
  • 駆動時間:1時間
  • 走行速度:200m/h
  • 操作方法/親機からの有線操作

東芝が開発した原発向け4足歩行ロボット(左)と小型走行車(右)