ここまで解説してきたように、資格取得者/雇用する企業の双方にメリットのあるSAP認定コンサルタント資格ですが、資格取得はあくまで基礎力を有していることの証明であり、SAPコンサルタントとしての第一歩をしるしたに過ぎません。そこで次に、SAP認定コンサルタント資格者の目指すべきところについてお話したいと思います。

SAP認定コンサルタント資格を取得したSAPコンサルタントは、コンサルタントと名のつく資格を手にしていますが、コンサルタントとしてはスタート地点に立ったところであり、これから成長していくことを期待されています。

資格を取得した段階では、まだ、SAPの概要を理解し、指示に基づいてSAP標準機能の設定(カスタマイズ)を行えるという状態です。次のステップとして、

  • SAP標準機能の業務トランザクションの理解を深め、クライアント企業の業務に適切な提案ができるようになる
  • SAP標準でできること/できないことを理解し、標準機能でできない場合には、追加機能で実現することを提案できるようになる
  • 追加機能を構築する際には、クライアント企業の業務担当者と追加機能の外部機能要件を定義し、開発チームに対するシステム処理要件を定義し、開発された追加機能をテストし、標準機能との連携などを確認できるようになる
  • 該当のモジュールだけではなく、他のモジュールとの業務面/システム面での連携を理解し、複数の業務モジュールを跨いで方針の検討が行える。該当モジュール以外についても学習し、複数業務モジュールのシステム導入が行えることは、資格取得者にとっても、所属するプロジェクトにとっても、資格取得者を雇う企業にとっても非常に大きなメリットになる
  • SAPシステムの導入する前の業務改革方針の策定や将来像(To Be)業務の設計などを行えるようになる

といったことが求められるようになります。

このように、SAP導入に関するスキルだけを考えても、資格取得者はさらなるスキルアップを求められます。また、SAPスキル以外にも、コンサルタントとして必要なスキルをバランスよく身につけることも重要です。