日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は11月12日、シェアードディスク型クラスタを構築するDB2 Enterprise Server Edition V9.7用のアドオン「IBM DB2 pureScale Feature for DB2 9.7 Enterprise Server Edition」を発表した。同製品は12月11日より出荷が開始される。

日本アイ・ビー・エム 理事兼ソフトウエア事業 インフォメーション・マネジメント事業部長 下垣典弘氏

同社で理事兼ソフトウエア事業 インフォメーション・マネジメント事業部長を務める下垣典弘氏は、同製品の特徴として、「大規模構成時の処理能力の高さ」、「アプリケーションの変更が不要な即時拡張」、「メンテナンス時・障害時でも連続稼働が可能」という3点を挙げた。

同氏によると、同製品はロック情報と共有ページをカップリング・ファシリティ上のメモリで一元管理し、ノード間通信に高速な通信が可能なRDMA(Remote Direct Memory Access)を採用していることから、高い拡張性と連続稼働を実現しているという。

同社では、同製品において、100ノードを超える大規模構成でも80%以上の処理能力を達成することを検証している。

DB2 pureScaleにおける拡張性

また、処理能力を拡張する場合、他社製クラスタ製品は「ページ当たりの行を少なくする」、「データベースやアプリケーションをパーティショニング化する」のいずれかによって対処するが、同製品ではPowerHA pureScaleを組み込むことでアプリケーションコードの修正とデータベースの再チューニングが不要となる。

さらに、同製品はシェアードディスク型アーキクチャによるクラスタ技術を採用しているという特徴も備えている。データベース分野で最大のライバルと言えるオラクルもまた、クラスタ技術として同アーキテクチャを用いている。

同氏は、「他社のシェアードディスク型アーキテクチャはノード追加による負荷が増大して計画通りにスケールしないなど、限界に達していたため、DB2 pureScaleを市場に投入した。DB2 pureScaleでは、既存のシェアードディスク型アーキテクチャが抱える課題が解決されている」と説明した。「オラクルのクラスタ製品RAC(Real Application Clusters)は8ノード以下のスケールアウトが多く、最も多いのは4ノード以下と聞いている」

日本IBMによる同社のシェアードディスク型アーキテクチャと他社のシェアードディスク型アーキテクチャの比較

同社はこれまでクラスタ技術としてシェアードナッシング型アーキテクチャを採用しており、今回の発表で、2つの方式のクラスタ技術を提供することになる。オラクルはシェアードディスク型でBI用のデータベースのクラスタのOLTP用のデータベースのクラスタに対処できるとしているが、同社としては、BI用のデータベースのクラスタはシェアードナッシング型が、また、OLTP用のデータベースのクラスタはシェアードディスク型が適しているため、当座のところ、"2本立て"でいくという。

同製品の対応プラットフォームは、ハードウェアが「Power 595」または「Power 550 Express」、OSが「AIX 6.1 TL3以降」。価格は268万2,000万円(税抜)からだが、使用量に応じた日単位(年間最大90日まで)の課金体系も提供される。