エンタープライズの次はゲームだ。大手ビデオゲーム販売会社であるElectric ArtsではPogo.comという大規模ゲームサイトを運営しているが、ここでもFlashが活躍している。さらに同サービスでは毎月大量のゲームのプロトタイプを作成しているため、その開発やキャラクターデザインなどにもAdobeのツールを活用しているとのことである。

Pogo.comによるオンラインゲーム

ゲームに関連して興味深いデモを見せてくれたのは、AdobeでSenior Platform Evangelistを務めるSerge Jespers氏だ。まずFlex Builderを利用して簡単なシューティングゲームを作成した上で、そのゲームの利用状況を測定/分析するというものである。これは9月22日に発表された「Adobe Flash Platform Services」に関連したデモであり、利用状況の分析はDistribution Managerを通じて行っている。

Distribution Managerによるアプリケーション利用状況の分析

さらにこの日、自作アプリケーションのマネタイズのための仕組みとして新しく「Shibuya」が発表された。これはAdobe AIR Marcketplaceを通じてインストールされたアプリケーションに対して、Try & Buyの課金モデルを適用できるようにするサービスである。ユーザはインストールしたアプリケーションを一定期間試用し、試用期間が終了した場合にそれを購入するかどうかを決めることができる。

これまでもAIRアプリケーションに課金することはできたが、開発者が個別に実施していたことであり、Adobeによるサービスとして提供されていたわけではなかった。Shibuyaは課金の仕組みをAdobeがサービスとして提供するというものである。AIR Marcketplaceなどによって個人の開発者がアプリケーションを提供する土台ができたその先で、それをどう利益につなげていくのかという点についても関心が高まっていた。Shibuyaは開発者のための新しいモチベーションにつながるだろう。

AIRアプリケーションの開発者にマネタイズのチャンスを与える「Shibuya」