2006年末から2008年初頭のわずか2年強の間に1億3,000万件のクレジットカード情報を盗み出した罪で28歳のアメリカ人が告発されたことが話題になっている。8月17日(米国時間)に複数のメディアが報じている。情報漏洩件数1億以上という数字は全米のサイバー犯罪史上でも過去最高規模とみられており、その裁判の行方や今後の影響に注目が集まりつつある。

28歳のAlbert "Segvec" Gonzalezは米ニュージャージー州の連邦大陪審によって告発され、現在米ニューヨーク州ブルックリンに拘留されている。Gonzalezは2人の姓名不明なロシア人と共謀して米国内のさまざまなシステムにハッキングを繰り返していたとみられ、カード処理会社の米Heartland Payment Systems、米7-Eleven、スーパーマーケットチェーンの米Hannaford Brothersと企業名不明の2つの小売りチェーンの計5つの大手システムでのハッキングと情報吸い出しを行っていたとされる。また、Heartland以前のケースでは4,500万件と過去最大規模のカード情報流出といわれた米TJX Companiesの事件にも関わっていたとみられ、近年米国で発生した大規模なカード情報流出事件のほとんどにGonzalezが関係していた可能性がある。

Gonzalezの顔写真告発文についてはWired.comのサイトで確認できる。Wired.comやWall Street Journal (WSJ) などの報道によれば、Gonzalezは高校卒業後に独学でコンピュータ技術を習得し、クレジットカード情報盗難を狙うオンライン犯罪グループのリーダーになったという。4,000人規模の組織で26人のリーダー格のうち、Gonzalezはその中心的存在だったようだ。また2003年に逮捕歴があったものの、情報提供者として名乗り出ることで無罪となっていた過去がある。その後2004年にニュージャージ州からフロリダ州マイアミへと移動することを許され、2008年5月にDave & Buster'sの件で拘束されるまでハッキング行為を繰り返していたようだ。こうしたクレジットカード情報1件あたりの闇市場での取引価格は10-100ドル程度とみられ、もしこの売却に成功していれば膨大な資金を手に入れていたことになる。

WSJによれば、Gonzalezは現在50万ドルの罰金刑と最高で25年の懲役刑を受ける可能性があると担当弁護士が説明しているという。数字の規模が過去類をみないものなだけに、その行方が注目される。