東京千代田区にあるメリックスの東京営業所

大阪に本社を置くメリックスは、赤ちゃんの名付けサービス「良運命名」を中心に、出産内祝のギフト通販やオフィス家具の販売などを手掛ける社員数14名の企業だ。この良運命名は、出産を控えたユーザーに対して姓名判断に基づくオーダーメイドの名付け冊子を提供するというもの。同社は今年1月に出荷が開始されたばかりのWindows Small Business Server 2008を導入したが、今回はその事例を紹介しよう。

メリックスが運営する赤ちゃんの名付けサービス「良運命名」

約1000万レコードの名前データを蓄積

メリックス 取締役 システム事業部 部長の豊饒賢造氏

良運命名では単純に名字と合った名前を列挙するだけでなく、漢字の読み方、意味、画数、運勢まで分かりやすく記載してくれる。また、好きな呼び名や使いたい漢字の指定、「明るい」「健康的」など18種類に及ぶイメージからの候補作成、さらには鑑定希望の名前を伝えておけば地格、人格、外格、総格ごとに細かい運勢を鑑定することも可能だ。

1冊あたりに掲載されている名前候補は約800-1000種類で、サービスを開始した1997年から現在まで25万人もの名付け実績を誇っている。メリックス 取締役 システム事業部 部長の豊饒賢造氏は「お客様は出産を控えているので『Webサイトと違ってベッドの中など時間がある時にゆっくり名前を考えられる』とご好評をいただいています」と語る。

名前の候補が約800-1000種類記載された個別の冊子が、申し込み者に送付される

名前の候補は名字以外にも、申し込み者が指定した呼び名や漢字、イメージなどからも候補が列挙される

この良運命名を支えるのが、Windows Server 2003とSQL Server 2000で構築した独自システムだ。サービスの命ともいえるデータベース内には、約1000万レコードの名前データが蓄積されており、Webサイトで受注した顧客情報を入力すると名前候補の抽出から印刷まで一括した処理が可能だ。ユーザーから寄せられた鑑定希望の名前もすべてデータベースに保存される。

しかし、このシステムも既に構築から5年が経過しており「ハードウェアの老朽化とデータ量の急増で、徐々にレスポンスの低下が目立ってきました」と豊饒氏は語る。また、1台のサーバマシンにファイルサーバとデータベースが混在する環境も、処理能力の低下に拍車をかけていた。

昨年7月に開設した東京営業所では、オフィス家具関連の販売業務を行っており、販売管理ソフトで大阪本社のデータベースを参照している。旧システムでは、項目によっては業務に支障が出るほど表示に時間がかかったという。こうした状況を打開するべく、メリックスではスペック向上とバージョンアップを兼ねてシステムのリプレースに踏み切ったのだ。

オフィス家具関連の販売業務を行う東京営業所の様子