マイクロソフト、横浜市、および財団法人 横浜市男女共同参画推進協会は、起業を目指す女性のための支援事業で協働することを発表した。今回、3団体が進める新事業は、「女性のためのUPプログラム」の発展事業、および「よこはま男女共同参画行動計画」の重点施策の一環。家庭と両立しながら起業を目指す女性を対象に、ネットビジネスなどITを活用した総合的な支援を実施する。

同事業は、

  • 「女性起業UPルーム」の開設
  • 「起業セミナー」の実施
  • 「起業家たまご塾」の開講

上記3つを柱に展開される予定。母子家庭の母親やDV被害女性など、社会的、経済的に困難な状況にある女性を優先し、セミナー参加費や保育料が無償になる優遇措置が設けられている。

横浜市戸塚区にある男女共同参画センター内に6月1日に開設される「女性起業UPルーム」は、起業のための情報収集や、相談が受けられる公共スペース。起業関連図書の閲覧をはじめ、セミナーや各種制度に関する案内や、パソコンによる情報検索、スタッフによる窓口相談、中小企業診断士などの専門家による専門相談が受けられる場所として、誰でも気軽に立ち寄ることが可能だ。

また「起業セミナー」では、起業の基本から実践まで学べる連続セミナーを毎週土曜日に開催。「起業入門セミナー」「ビジネス設計セミナー」「IT活用販促セミナー」の3講座がいずれも保育付きで予定されている。

さらに「起業家たまご塾」として、具体的な事業プランを持つ女性を対象に、グループ型の起業サポートを行う。審査によって1期(6カ月間)につき10名程度選ばれた塾生は、月額1万円で実践的ワークショップへの参加をはじめ、メーリングリストや対面での情報交換/相談、広報支援など、ネットワークを通じた支援が受けられる。

同事業では、横浜市男女共同参画推進協会が事業の企画/運営を担当。また、横浜市が関係機関との調整や広報支援を行い、マイクロソフトがソフトウェアの寄贈、ならびに同社社員によるボランティアの派遣、関係団体とのネットワークづくりの支援を担当する。また事業運営資金の一部は、横浜市とマイクロソフトによって提供される。

同事業による成果指標は、「女性起業UPルーム」の年間600名の利用、年間50件の相談/問い合せ、年間100名の起業セミナーの受講者、年間10名の「起業家たまご塾」への参加者。また、3年間で20名の女性起業家の輩出を目指す。

今回の協同事業に関し、横浜市の中田宏市長は「働く女性の約7割が出産を機に仕事を辞める現状があり、再就職のための門戸も十分に開かれているとは言えない。そんななか、自分のアイディアを活かして起業を目指す女性が増えてきている。『女性起業UPルーム』は、そんな女性たちに大いに活用してほしい」とコメントを寄せている。